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日別アーカイブ: 2025年10月8日

リスキリング支援

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

10月から、労働者が学び直しのために連続30日以上の

無給休暇を取った場合に、賃金の5〜8割が支給される

「教育訓練休暇給付金」の制度が始まりました。

数年前から中高年を対象としたリスキリングの重要性が

指摘されてきましたが、

働きながらスキルアップを目指す人にとって、

大きな後押しとなる制度です。

対象となるのは、雇用保険に5年以上加入していたことがある

正社員やパートなどの労働者。

30日以上の無給の教育訓練休暇を取得した場合、

休暇前の賃金の5〜8割が給付され、加入期間に応じて

最大150日分まで受け取れます。

対象となる教育訓練は、資格取得講座や大学・大学院での履修、

語学留学など幅広く、教育訓練給付金との併用も可能です。

一方で、この制度を利用するには会社の就業規則などに

「教育訓練休暇制度」が設けられていることが前提です。

厚生労働省の調査によると、この制度を導入している企業は

「わずか7.5%」にとどまっています。

導入予定がない理由としては、「代替要員の確保が難しい」

が最も多く、「メリットを感じない」

「有給休暇にするとコストがかかる」といった声も挙がっています。

また、すでに有給での教育休暇制度を設けている企業が、

「給付金があるから無給に変更する」というのは

労働条件の不利益変更にあたるそうです。難しいですね。

今後は、有給の制度がある会社でも

給付金を活用できるような仕組みになれば、

より多くの人が安心して学び直しに

踏み出せるかもしれません。

さらに、リスキリングを真に定着させるためには、

学んだスキルが人事評価や異動、待遇に

反映される仕組みづくりも欠かせません。

せっかく学び直しても職場で活かせなければ、

モチベーションが続かず、離職につながるおそれもあります。

企業が従業員の学びを「投資」として評価し、

活用できる環境を整えることが、

結果的に人材定着と企業の競争力向上に

つながっていくと思われます。

会社も働き手もプラスになる制度として定着するといいですね。