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皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
10月から、労働者が学び直しのために連続30日以上の
無給休暇を取った場合に、賃金の5〜8割が支給される
「教育訓練休暇給付金」の制度が始まりました。
数年前から中高年を対象としたリスキリングの重要性が
指摘されてきましたが、
働きながらスキルアップを目指す人にとって、
大きな後押しとなる制度です。
対象となるのは、雇用保険に5年以上加入していたことがある
正社員やパートなどの労働者。
30日以上の無給の教育訓練休暇を取得した場合、
休暇前の賃金の5〜8割が給付され、加入期間に応じて
最大150日分まで受け取れます。
対象となる教育訓練は、資格取得講座や大学・大学院での履修、
語学留学など幅広く、教育訓練給付金との併用も可能です。
一方で、この制度を利用するには会社の就業規則などに
「教育訓練休暇制度」が設けられていることが前提です。
厚生労働省の調査によると、この制度を導入している企業は
「わずか7.5%」にとどまっています。
導入予定がない理由としては、「代替要員の確保が難しい」
が最も多く、「メリットを感じない」
「有給休暇にするとコストがかかる」といった声も挙がっています。
また、すでに有給での教育休暇制度を設けている企業が、
「給付金があるから無給に変更する」というのは
労働条件の不利益変更にあたるそうです。難しいですね。
今後は、有給の制度がある会社でも
給付金を活用できるような仕組みになれば、
より多くの人が安心して学び直しに
踏み出せるかもしれません。
さらに、リスキリングを真に定着させるためには、
学んだスキルが人事評価や異動、待遇に
反映される仕組みづくりも欠かせません。
せっかく学び直しても職場で活かせなければ、
モチベーションが続かず、離職につながるおそれもあります。
企業が従業員の学びを「投資」として評価し、
活用できる環境を整えることが、
結果的に人材定着と企業の競争力向上に
つながっていくと思われます。
会社も働き手もプラスになる制度として定着するといいですね。