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日別アーカイブ: 2025年9月3日

マンション修繕積立金の 管理業者による保管ルールが明確化

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

国土交通省は、分譲マンションの管理組合の運営を

外部業者に委託する「第三者管理方式」の場合に、

業者が管理組合の銀行口座の印鑑や通帳を保管することを

条件付きで認める方針を示しました。

【背景】

分譲マンションでは住民が理事となり、

理事会を通じて管理組合を運営するのが一般的です。

しかし、理事の役割は清掃や修繕の発注先決めなど負担が大きく、

最近は専門業者に全面委託する「第三者管理方式」を

採用するケースが増えています。

修繕積立金は長期間積み立てられる性格上、

口座残高が億円単位に達することも珍しくありません。

そのため、管理会社に印鑑や通帳を預けるケースが実務上すでに存在しましたが、

法律上のルールが曖昧で、住民の不安要因となっていました。

【国交省が定めた「5つの条件」】

リスクを抑えるため、業者が印鑑・通帳を保管する場合には次の条件が課されます。

1.管理業者以外には印鑑を預けない

2.不正利用や紛失が起きない体制を整備する

3.口座残高以上の保証契約を結ぶ

4.口座名義に管理組合の名前を明記する

(業者倒産時のリスク軽減)

5.区分所有者への説明と、管理組合集会での決議を経ること

【利益相反の懸念にも対応】

また、管理会社が自社やグループ会社に清掃や修繕を

割高で発注する「利益相反」の問題も指摘されています。

このため、住民への事前説明義務が設けられました。

修繕積立金は、マンションの将来を守る大切な資産ですので

管理業者に全面的に任せる場合も、

住民側が仕組みを理解して監視する姿勢が欠かせません。

今回の国交省のルール明確化は、

住民の安心につながる一歩となりますね。