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皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
昨日は航空整備士の話でしたが、本日はパイロットのお話です。
パイロットを養成する国内唯一の公的機関「航空大学校」(宮崎市)で、
学生の訓練が予定通り進まない状況が深刻化しています。
航空大学校の出身者は、国内パイロット7274人(2024年1月時点)
のうち3割超にあたる2454人。
航空会社の自社養成(2802人)に次ぐ規模で、
航空人材の供給源として欠かせない存在です。
学生は座学や操縦訓練の各課程に応じて、宮崎本校・帯広(北海道)
・仙台の3拠点を移動しながら学びます。
通常なら約2年で修了しますが、訓練に遅れが生じると
各課程に学生が滞留し、教官・訓練機・寮といったリソースが不足します。
こうした受け入れ体制の限界から、全体の4割近い学生が
予定通り訓練を受けられず「待機」 を強いられる事態が続いています。
遅延が目立ち始めたのは、2011年の東日本大震災。
仙台分校が被災した影響から訓練計画が乱れ、
その後も平常運用に戻りきらないまま、待機学生が常態化しました。
問題をさらに悪化させたのが、
パイロット不足対策として2018年度から定員を拡大したことです。
受け入れ体制の強化が追いつかず、学生数だけが先に増えてしまった形です。
訓練遅延の主な要因として、次のような点が挙げられています。
・校内設備の拡充が追いついていない
・教官の増員が不十分
・天候など外的要因に左右されやすい訓練環境
環境整備が追いつかない中で定員を増やさざるを得ない状況は、
まさに「人材不足のジレンマ」。
必要なのは分かっているのに、体制が追いつかない…
そのバランスの難しさを強く感じます。
対策としては、
・訓練スケジュールの柔軟な運用
・天候の影響を受けにくい海外施設の活用
・教員・設備の計画的な増強
などが検討されています。
多くの現役パイロットが定年退職を迎える「2030年問題」
が迫るなか、安定的にパイロットを輩出できる体制づくりは
急務です。
航空需要が戻りつつある今、
訓練遅延は航空業界全体に関わる大きな課題だといえます。