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皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
若い世代の投資行動が大きく変わっています。
デジタル化が進み、投資判断の「頼り先」がこれまでの専門家から
SNS発信者へと移りつつあるためです。
証券監督の国際機関である証券監督者国際機構(IOSCO)は5月、
Finance(金融)とInfluencer(インフルエンサー)を組み合わせた
「フィンフルエンサー」の動向をまとめた報告書を公表しました。
フィンフルエンサーは、エンタメ性のある投稿で金融知識をわかりやすく伝え、
若年層を中心に投資家の裾野拡大に貢献してきました。
資産形成の機運も高まり、NISA口座数は6月末時点で 約2700万口座。
X(旧Twitter)やTikTokで見た情報をきっかけに、投資を始めた若者も
少なくありません。
金融庁の2024年調査では、ネット系金融機関を利用する18〜29歳のうち
51%がSNS、44%がYouTubeを資産運用の主な情報源にしていると回答。
もはやSNSは、若者にとって「金融メディア」となっています。
従来、投資助言業者は登録制で、知識・経験を確認したうえで
金融庁が管理してきました。
FP(ファイナンシャルプランナー)や金融商品仲介業者も、
投資家と金融機関をつなぐ役割を担ってきました。
しかしフィンフルエンサーの活動は、こうした枠に収まりません。
典型的なのが「投げ銭」を介した銘柄推奨です。
ライブ配信中に視聴者からギフトを受け取り、
その見返りとして銘柄を挙げる行為は、
対価を得て助言しているため投資助言業に該当する可能性があります。
また、オンラインサロンなど有料コミュニティ内での助言も、
「業」と判断される場合があります。
ただし、SNS上では実態把握が難しく、
フィンフルエンサーが「業を営んでいるか」の線引きは極めて困難です。
SNSを運営するプラットフォーム側の監視も限定的です。
総務省は2025年4月に情報流通プラットフォーム対処法を施行し、
違法・有害投稿の削除基準作成を求めていますが、ガイドラインは
拘束力がありません。
表現の自由とのバランスもあり、過度な規制は難しいのが現状です。
最終的には個人の金融リテラシーに頼らざるを得ない状況です。
フィンフルエンサーの存在が投資裾野の拡大に寄与しているのは事実ですが、
適切な規制が追いつかず、投資者保護が及びにくい領域が広がった結果、
投資家自身が注意しなければ危険な状態が増えています。
影響力のある投稿が一気に拡散し、人々の行動を動かす「バズ投資」
の時代だからこそ、投資家保護のあり方そのものを見直す必要があります。
海外では、フィンフルエンサー向けの任意認定制度など、
新しい枠組みづくりが始まっています。
日本でも同様の仕組みづくりを早期に進め、
安心して投資に向き合える環境を整えることが求められます。
今後の動向に注目したいところです。