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地方の公共交通が直面する危機

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

近年、全国の乗り合いバスの利用者数が大幅に減少し、

路線の廃止が相次いでいます。

共同通信の分析では、30年間で47都道府県のうち

28道県が50%以上の減少となり、

秋田県では利用者が4分の1にまで落ち込んでいることが分かりました。

公共交通の衰退は、

高齢者や学生など交通手段を必要とする方々の外出機会を奪い、

地域の生活基盤に大きな影響を及ぼします。

こうした中、交通政策白書によると、

事業者が廃止したバス路線は2023年度に約2,500キロと、

前年までを大きく上回りました。

運転手不足や経営難が背景にあり、

地域の足をどう維持するかが喫緊の課題となっています。

交通空白を埋めようと、各自治体ではコミュニティバスや

デマンド交通などの導入が進んでいます。

国土交通省の交通政策白書では、コミュニティバスを

「交通空白地域・不便地域の解消等を図るため、

市町村等が主体的に計画し運行するバス」と定義しています。

2023年度末現在、全国1,741市区町村のうち

1,427市区町村で導入されており、

多くの自治体が地域の移動手段を確保するために取り組んでいます。

一方、デマンド交通は、

利用者の要望に応じてルートを柔軟に変え、目的地まで送迎する仕組みです。

乗合タクシーなどの形で634市町村が導入しており、

バス路線の維持が難しい地域で活用が進んでいます。

これらの地域公共交通は、市町村が主体となり、

地元のバス会社やタクシー会社に運行を委託するか、

あるいは直接運行しています。

運行経費の多くは自治体の財政支出や国・県の補助金で賄われています。

人口規模の大きい自治体では、

交通にかかる支出は税収の1%未満に抑えられることが多い一方、

人口の少ない自治体では税収の数%を交通維持に充てているケースもあり、

地域間で大きな差があります。

今後は高齢化と人口減少により、

交通維持の財政負担はさらに深刻になると見込まれます。

そのため、近隣市町村と連携して広域で運行し、

車両や人員を効率的に活用する取り組みが重要となります。

地域公共交通は単なる移動手段ではなく、

地域の生活や経済を支える基盤です。

事業者任せにせず、

地域全体で持続可能な交通体系を構築していくことが

求められています。