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オンライン化する公正証書遺言

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

近年、相続をめぐるトラブルを避けたいという意識が高まっており、

公正証書遺言の作成件数は年々増加しています。

国民生活センターによると、公正証書遺言は2024年に

12万8000件と過去最高を記録しました。

相続紛争の防止策として、遺言書を残すことの重要性が

より強く認識されているためです。

これまで、公正証書遺言の原本作成は、公証役場で公証人と対面し、

署名押印するのが原則でした。

しかし、2024年10月からは全国で順次、

オンラインによる公正証書遺言の作成が可能となっています。

【オンライン公正証書遺言の作成手順】

オンラインで作成する場合、流れは次のとおりです。

1.まずメールで公証役場へ申請する

2.電子署名等による本人確認を経て、公証人と遺言内容(案)を検討する

3.案文が確定すれば、ウェブ会議で原本を作成する日程を調整する

4.ウェブ会議には、本人・公証人・証人が参加する

5.公証人が案文を読み上げ、本人が内容を再確認する

6.修正がなければ、公証人が案文をPDF化し、画面で共有する

7.参加者全員が電子署名を行う

作成された原本はPDFの形式で、日本公証人連合会のクラウドに

保管されます。

本人が希望する場合は、メールを介して正式な書面を

ダウンロード・交付してもらうことも可能です。

【利用のメリットと注意点】

オンライン化により、高齢者の方や遠隔地にお住まいの方にとって、

従来のように役場まで出向く負担が軽減されるという大きなメリットが

あります。

一方で、オンラインを利用するためにはいくつかの条件があります。

公証人が案件ごとに要件を確認し、オンラインでの作成が相当と

判断した場合に限り利用が認められます。

また、遺言をめぐる争いを防ぐため、ウェブ会議の利用には

「本人からの申し出」が必要とされています。

相続人や家族などの利害関係者が同席することは認められていません。

これは、利害関係者の存在によって意思確認が妨げられることを

避けるためとされています(日本公証人連合会)。

ウェブ会議の開始時には、本人に部屋を全方位で撮影してもらったり、

証人に本人と同じ場所から参加してもらったりと、

本人の真意を確認するための手順が設けられています。

オンラインによる遺言書作成は、手間や負担を減らせる便利な仕組みとして

今後広がっていくと思われます。

しかし、どれほど便利になっても、遺言書は「本人の真意を確実に残すこと」

が最も重要です。

争いを避けるために作成した遺言書が、かえって新たなトラブルの火種とならないよ
う、

オンラインであっても対面であっても、しっかりと本人の意思を確認したうえで

作成することが大切です。

当事務所では、遺言書作成に関する手続きのサポートを

しております。

お気軽にご相談ください。