
皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
近年、全国的に「工業高校離れ」が
加速しています。
しかしその一方で、製造業や建設業、
インフラ業界では深刻な人材不足が進行しており、
日本社会は大きな矛盾を抱えています。
2026年度入試では、全国の公立工業高校で
39都道府県が定員割れとなりました。
5年前と比べると志願者数は約14%減少しており、
「普通科進学」が主流になっています。
高校授業料無償化の影響もあり、
私立普通科へ進む流れが強まっています。
しかし現実の社会では、ものづくり人材の価値は
むしろ上昇しています。
工業高校卒業者への求人倍率は
2025年時点で31.9倍と過去最高水準となり、
高卒全体平均の7倍超。
企業側は「現場で働ける若手」を確保できず、
2040年には工業系人材が91万人不足するとの
推計もあります。
特に地方では影響が深刻です。
工場やインフラを支える現場人材が減少し、
技術継承や地域産業の維持そのものが
難しくなりつつあります。
さらに興味深いのは、工業高校卒業者は
離職率が低いという点です。
3年以内離職率は16.3%と、
高卒全体の約38%を大きく下回っています。
つまり、「安定して長く働ける職種」が多いにもかかわらず、
その魅力が十分伝わっていないのです。
AI時代になるほど、実際に設備を動かし、整備し、修理し、
現場を支える「代替しにくい技術」の重要性は高まります。
文部科学省も2026年度から、
専門高校改革のための基金を活用し、
最先端設備の導入やカリキュラム改革を進める方針です。
「とりあえず大学に進学」から
「どんな技術を持つか」が重要な時代へ。
工業高校や専門教育の価値を、
社会全体でもう一度見直す時期にきているのかもしれません。