オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2026年7月

増える産業スパイ

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

近年、日本企業が持つ最先端技術や営業秘密が

海外に流出する事件が相次ぎ、「産業スパイ」が

大きな社会問題となっています。

AIや半導体、宇宙開発、ロボット技術など、

日本が強みを持つ分野ほど狙われやすいとされ、

経済安全保障の観点からも重要な課題となっています。

産業スパイとは、企業や研究機関が持つ技術情報や

営業秘密、顧客データ、経営戦略などを不正に入手し、

自社や他国の利益につなげようとする行為や人物を指します。

研究開発には長い時間と多額の費用がかかりますが、

それらを盗み出せば競争力を一気に高めることができます。

そのため、日本の優れた技術が狙われるケースが

増えています。

産業スパイというと映画のような潜入を想像しがちですが、

実際には日常生活の中で巧妙に情報を引き出すケースが

少なくありません。

例えば、偶然を装って社員に近づき、

親しくなってから情報を聞き出す

「ソーシャルエンジニアリング」、

退職予定者や不満を抱える社員に

機密情報の持ち出しを依頼する内部不正、

標的型メールなどを利用したサイバー攻撃など、

さまざまな手口が使われています。

海外出張先でホテルのパソコンが不正に操作されたり、

何気ない会話から情報を探られたりする事例も

報告されています。

これまで公安・外事警察は、捜査への影響を考慮し、

スパイの手口を公表することには慎重でした。

しかし近年は、「被害が起きてから摘発する」のではなく、

「被害を未然に防ぐ」ことを重視する方針へ

転換しています。

その一環として、警察は先端技術を持つ企業や大学を

積極的に訪問し、実際に起きた事例やスパイの手口を

紹介する研修を実施しています。

2022年以降だけでも、全国で延べ1万2,000を超える

企業や研究機関に対し、

情報提供やセキュリティ指導が行われています。

情報漏えいを防ぐためには、企業側の備えも欠かせません。

・機密情報にアクセスできる社員を必要最小限にする

・USBメモリなどによるデータ持ち出しを制限する

・操作ログを管理する

・従業員へのセキュリティ教育を継続して行う

・退職時の秘密保持を徹底する

特に中小企業は「自分たちは狙われない」と考えがちですが、

高い技術力を持つ企業ほど標的になる可能性があります。

産業スパイは、一企業だけの問題ではなく、

日本の産業競争力や経済安全保障にも大きく関わる問題です。

情報漏えいは、一度起きてしまうと取り返すことが難しく、

多額の損害につながることもあります。

そのため、企業だけでなく、

一人ひとりの従業員が「情報を守る」という意識を

持つことが重要です。

技術や情報は企業にとって大切な財産です。

警察の支援も活用しながら、

日頃からセキュリティ対策を見直し、

大切な技術を守っていくことが

これからますます求められていくのではないでしょうか。