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月別アーカイブ: 2026年8月

世界で抹茶が人気なのに、茶畑が減っている理由

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

世界的な「抹茶ブーム」が続いています。

抹茶ラテや抹茶スイーツなどの人気が海外でも広がり、

日本茶の輸出は過去最高を更新する勢いです。

一方で、国内の茶産業を見ると、

茶畑の減少や農家の高齢化、煎茶の価格高騰など、

厳しい状況が続いています。

 

「世界で抹茶が人気なのに、なぜ日本の茶畑は減っているのか」。

背景には、長年にわたる国内需要の低迷と、

茶農家の高齢化があります。

農業全体と同じように、

茶業でも担い手不足が大きな問題となっています。

農林水産省の調査によると、

2026年時点で農業を主な職業とする「基幹的農業従事者」は約98万人。

その8割近くを60歳以上が占めています。

茶業も例外ではありません。

国内のお茶需要が長期的に伸び悩んできたこともあり、

収益の見通しが立ちにくい産業となれば、

後継者を確保することも難しくなります。

その結果、農家の高齢化と後継者不足が重なり、

茶畑そのものが維持できなくなるケースが増えています。

 

もう一つ見逃せないのが、茶園そのものの老朽化です。

全国茶生産団体連合会の調べでは、

樹齢30年以上の茶園が全体の約4割を占めるとされています。

茶の木は植えれば永久に収穫できるわけではありません。

一般的に、商品として出荷できる「経済樹齢」は35年前後とされ、

それを過ぎると収量や品質が低下しやすくなります。

植え替えには費用や労力が必要です。

後継者がいない農家にとっては、

古くなった茶園を更新することも難しく、

結果として茶畑が放棄されることにつながります。

 

こうした国内の構造的な問題とは対照的に、

海外では抹茶の人気が急速に高まっています

抹茶ラテや抹茶スイーツなどが欧米や東南アジアのカフェなどで広がり、

「MATCHA」は日本を代表する食品の一つとして

認知されるようになりました。

2025年には緑茶の輸出量が約70年ぶりに1万トンを突破し、

輸出の約8割を抹茶などの粉末茶が占める状況となっています。

つまり、日本国内では茶の生産基盤が縮小する一方、

海外からの需要は急速に拡大しているのです。

 

ここで新たな問題も生まれています。

海外で需要が伸びている抹茶の原料は「碾茶(てんちゃ)」です。

そのため、茶農家の中には、従来の煎茶向けの茶葉から

需要が強く価格も期待できる碾茶生産へ転換する動きが出ています。

特に鹿児島県など平坦な地域では、

大型機械を活用した大規模な生産への投資も進んでいます。

一方、中山間地域など機械化が難しい産地では

茶畑の維持が難しくなり、放棄地が広がるという

二極化も起きています。

その結果、抹茶需要が伸びる一方で、

これまで日本人が日常的に飲んできた煎茶が品薄となり、

価格が上昇するという現象も起きています。

 

世界的な抹茶ブームは、日本の茶産業にとって大きなチャンスです。

海外需要が増えれば、生産者の収益改善につながり、

新しい茶園への投資や若い担い手の参入を促す可能性があります。

ただし、需要が増えたからといって、

すぐに生産量を増やせるわけではありません。

新しい茶畑を整備し、茶の木を育て、

安定した品質で出荷できるようになるまでには時間がかかります。

さらに、抹茶の価格が上がりすぎれば、

海外のカフェや国内の飲食店、消費者が離れてしまう可能性もあります。

中国など海外でも抹茶市場への参入や生産拡大が進めば、

日本産抹茶との競争も強まっていくでしょう。

 

今回の抹茶ブームは、日本のお茶が世界で評価される大きなチャンスです。

しかし同時に、これまで地域の農家によって支えられてきた茶畑や、

私たちが日常的に飲んできた煎茶の供給基盤が弱くなっている現実も

浮き彫りにしています。

「世界で人気だから、日本のお茶産業も安心」とは単純には言えません。

海外で高く評価される抹茶を伸ばしながら、

国内で親しまれてきた煎茶文化もどう維持していくのか。

そして、農家が将来も茶業を続けられるだけの適正な価格をどう実現するのか。

抹茶ブームは、日本茶の新たな成長機会であると同時に、

日本の茶産業が抱えてきた課題を考えるきっかけにもなっています。

日本の茶畑がこれからも残っていくためには、

「売れるお茶を作る」だけでなく、

「茶畑を維持できる産業にする」という視点も重要になりそうです。

子どものスポーツ離れ

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

プロ野球やJリーグなど、

日本のプロスポーツは盛り上がりを見せています。

昨年の観客動員数は、プロ野球が約2,704万人、

Jリーグが約1,350万人となり、

いずれも過去最高を記録しました。

さらに全国ではアリーナの建設も相次ぎ、

2030年ごろまでに約30施設の開業が見込まれています。

「スポーツを見る」「応援する」という文化は、

むしろ広がっているようにも見えます。

ところが、その一方で、

実際にスポーツを「する」子どもたちの数は減少しています。

日本サッカー協会によると、

小学生年代の選手登録数は2025年に約27万人となり、

10年前から11%減少しました。

野球ではさらに深刻で、小学生の硬式・軟式を合わせた競技人口が

10年間で約4割減少しています。

スポーツを見る人が増える一方で、

スポーツをする子どもは減っている。

今、日本では「見るスポーツ」と「するスポーツ」の間に、

大きな乖離が生まれています。

 

子どもからスポーツが遠くなった理由

背景には、少子化だけではなく、

子どもたちを取り巻く生活環境の変化があります。

習い事の多様化、スマートフォンや動画などによる時間の使い方の変化、

スポーツ用品や月謝などの費用、共働き家庭の増加による送迎の負担。

さらに、昔なら放課後に自然にできていた

ボール遊びなどの機会も減っています。

公園は全国的には増えているものの、

ボール遊びなどを禁止・制限している場所も

少なくありません。

スポーツをするためには、チームに所属し、

練習に通い、用具をそろえ、保護者が送迎する。

かつては「遊び」の延長だったスポーツが、

いつの間にか「遊び」の部分がなくなり、

「時間と費用をかけて行う習い事」になっていることも、

子どもたちのスポーツ離れの背景にあるそうです。

 

「早くから一つに絞る」ことへの見直し

こうした問題を考えるうえで、海外の動きも参考になります。

欧米では、子どもが幼いうちから一つの競技に絞り、

年間を通して専門的な練習を続ける「早期専門化」のあり方が

見直されています。

早い段階で一つの競技だけに集中することが、

必ずしも将来のトップ選手につながるとは限らない

という研究もあります。

複数のスポーツを経験することで、

さまざまな身体の動かし方を身につけたり、

特定の部位に負担が集中することを避けたり、

スポーツへの飽きや燃え尽きにつながるリスクを

抑えたりすることが期待されています。

そのため、

「できるだけ早く一つの競技に絞る」

という考え方から、

「幼少期は幅広く経験し、成長に応じて専門性を高める」

という育成の考え方が広がっています。

 

日本でも「マルチスポーツ」が広がる

日本でも、こうした流れは少しずつ始まっています。

スポーツ庁は「マルチスポーツ」の取り組みを進めており、

2025年度には全国3カ所で実証を行いました。

小中学生などを対象に、10種目を体験するイベントも

開催されています。

一つの競技だけを続けるのではなく、

さまざまなスポーツを経験する。

その中で「自分はこれが好き」「これなら得意かもしれない」

というものを見つけていく。

子どものスポーツの入り口が、少しずつ変わり始めています。

 

では、世界レベルの選手は育たなくならないのか

ここで気になるのが、トップアスリートの育成です。

幼い頃から一つの競技に集中しなくても、

世界で戦える選手を育てられるのでしょうか。

「子どものスポーツの裾野を広げること」と

「世界レベルの選手を育てること」は、

必ずしも対立するものではないと考えられています。

むしろ、競技人口が減ることは、

将来のトップ選手を発掘するという意味でも大きな問題になります。

例えば、多くの子どもがスポーツを始めれば、

その中から突出した才能を持つ子どもが見つかる可能性も高くなります。

逆に、スポーツを始める子どもそのものが減れば、

将来のトップ選手候補となる母数も小さくなります。

そのため世界では、

幼少期には幅広くスポーツを経験する。

その中で競技への興味や才能が見えてきた段階で、

徐々に専門性を高める。

という考え方が注目されています。

つまり、「全員を早くから英才教育する」のではなく、

「できるだけ多くの子どもをスポーツにつなげ、

その中から競技を極めたい子どもを専門的な育成につなげる」という考え方です。

 

「裾野」と「頂点」をどう両立するか

スポーツには、できるだけ多くの人が楽しむ「裾野」と、

世界を目指す競技者という「頂点」の両方が必要です。

幼い段階から一つの競技だけに絞るのではなく、

複数のスポーツを経験する。

その中で本格的に競技を続けたい子どもには、

成長段階に応じて高度な指導やトレーニングの機会を提供する。

一方で、競技選手を目指さない子どもも、

スポーツや運動を生涯にわたって楽しむ。

こうした段階的な仕組みであれば、スポーツ人口の裾野を広げながら、

トップアスリートを育てる環境も維持できます。

「子ども全員を一流選手にする」のではなく、

「できるだけ多くの子どもにスポーツとの接点をつくり、

その中から世界を目指す選手を育てていく」という考え方です。

 

日本では「学校の部活動」も変わり始めている

日本では現在、スポーツを支える仕組みそのものも変わろうとしています。

これまで中学校などの部活動は、

学校がスポーツ活動の中心的な役割を担ってきました。

しかし、少子化によって

一つの学校だけではチームを維持できないケースが増え、

教員の指導負担も課題となっています。

そこで進められているのが、学校だけで部活動を支えるのではなく、

地域のスポーツクラブや団体などが活動を担う「地域クラブ活動」への転換です。

スポーツ庁は2026年度から「改革実行期間」と位置づけ、

地域への展開を本格化させています。

2026年3月には、地域クラブ活動を持続的・安定的に運営するための

ガイドブックも公表されました。

これからは、「学校にある部活動」という一つの形だけではなく、

学校、地域クラブ、民間スポーツ団体などが、

それぞれの役割を担いながら子どものスポーツを支える形へ変わっていく可能性があ
ります。

 

「スポーツ=競技」だけではなくなる

もう一つの変化が、スポーツを「競技」だけに限定しない考え方です。

日本スポーツ協会では、幼児期からの運動遊びを重視し、

走る、跳ぶ、投げるなどの基本的な動きを楽しみながら身につける

「アクティブ・チャイルド・プログラム」を普及しています。

鬼ごっこをする。

ボールを投げる。

自転車に乗る。

親子で走る。

公園で身体を動かす。

こうした活動も、子どもにとっては身体を動かす大切な経験です。

本格的な競技に進む前に、まず「身体を動かすのは楽しい」

という経験を持つことが、スポーツとの接点を広げるうえで重要になっています。

 

子どもの可能性を広げるスポーツへ

スポーツをする意味は、将来プロ選手になることだけではありません。

走る、跳ぶ、投げる、蹴る、泳ぐ。

さまざまな身体の動かし方を経験することは、

成長期の身体づくりにもつながります。

また、いろいろな競技を経験することで、

「自分は何が好きなのか」

「何が得意なのか」

「もっとやってみたいことは何なのか」

を知るきっかけにもなります。

子どもの頃にさまざまなことを経験することは、

スポーツに限らず、その後の選択肢や可能性を広げることにもつながります。

だからこそ、スポーツの入り口が

一つの競技や一つのチームだけになってしまうのではなく、

さまざまなスポーツや運動に触れられる環境が生まれていることは、

これからの子どもたちにとって大きな意味を持つのかもしれません。

 

スポーツの未来はどう変わるのか

これからのスポーツは、

「一つの競技を早くから始め、学校やチームで続ける」

という従来型だけではなくなっていくのかもしれません。

幼い頃はいろいろなスポーツを経験し、その中から好きな競技を見つける。

本格的に競技を極めたい人には、成長段階に応じて専門的な環境を用意する。

一方で、競技選手を目指さない人も、地域や日常生活の中で身体を動かし続ける。

つまり、できるだけ多くの子どもが気軽にスポーツを始められ、

世界を目指したい子どもには、成長に応じて専門的な指導を受けられる環境がある。

そんな仕組みが、これからのスポーツには求められているのかもしれません。

「見るスポーツ」と「するスポーツ」の乖離が広がる今、

問われているのは、単に競技人口を増やすことだけではないと思います。

子どもたちがスポーツと出会い、さまざまな経験を重ね、

その中から自分の可能性を見つけていく。

そして、その先に世界を目指す道も、生涯スポーツとして楽しむ道もある。

スポーツの「入口」と「出口」の両方を広げることが、

これからのスポーツ文化の一つの方向になっていくのではないでしょうか。

変わる大学入試

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

「大学全入時代」という言葉を耳にする機会が増えました。

少子化によって大学進学を希望する若者の数が減り、

私立大学では定員割れとなる大学も少なくありません。

ところが、こうした状況とは反対に、

大学受験で浪人する学生が再び増え始めています。

2026年度入学者向けの大学入学共通テストでは、

既卒生の受験者が7万1,310人となり、

旧センター試験時代を含めて7年ぶりに増加しました。

特に2浪生の増加が目立っています。

なぜ、大学に入りやすくなっているように見える時代に、

浪人生が増えているのでしょうか。

 

推薦・総合型選抜の拡大で一般入試が変わっている

大きな要因の一つが、大学入試そのものの変化です。

近年は、学校推薦型選抜や総合型選抜を利用して

入学する学生が増えています。

こうした入試では、学力試験の一発勝負だけではなく、

学校での活動、面接、志望理由などを含めて評価されます。

一方で、一般選抜で募集される枠は相対的に小さくなっています。

そのため、一般選抜を中心に受験する生徒にとっては、

「大学全体の定員に余裕があるから入りやすい」

とは必ずしも言えません。

特に人気大学や難関大学では、限られた一般選抜の枠をめぐって

競争が続いています。

 

「滑り止め」も簡単ではなくなっている

これまでの大学受験では、第一志望、実力相応校、滑り止めというように、

複数の大学を受験して合格する可能性を高める方法が一般的でした。

しかし、一般選抜の募集枠が縮小すれば、

いわゆる「滑り止め」の大学であっても、

必ずしも安心できません。

大学全体では定員割れが起きていても、

受験生から人気のある大学や学部には志願者が集まります。

つまり、「大学ならどこでもいい」という場合には

選択肢が広がっていても、

「この大学、この学部に入りたい」という受験生にとっては、

むしろ競争が厳しくなっている面があります。

 

「浪人してでも挑戦したい」という動きも

今回の浪人生増加には、単純な入試制度の変化だけではなく、

難関大学を目指す受験生の意識も関係しています。

現役時代にわずかな差で不合格となった場合、

「もう一度挑戦したい」と考えて浪人を選ぶケースがあります。

特に、大学名や学部によって

将来の進路や就職先が変わると考える家庭では、

1年間を受験勉強に充てるという選択もあります。

一方で、浪人には予備校費用や受験料、生活費などの

経済的負担も伴います。

受験期間が長くなれば、それだけ家庭の負担も大きくなります。

 

「大学全入」と「希望する大学に入れる」は別の話

今回の動きから見えてくるのは、

「大学全入時代」という言葉だけでは、

現在の大学受験の実態を十分に説明できないということです。

少子化によって大学の定員そのものは余りやすくなっています。

しかし、大学・学部によって人気には大きな差があり、

入試方式も変化しています。

その結果、

「大学には入りやすくなったが、希望する大学には入りにくい」

という状況が生まれる可能性があります。

これは大学側にとっても大きな変化です。

学生を確保するために推薦・総合型選抜を拡大する大学がある一方、

受験生から選ばれるためには、

教育内容や就職実績、大学のブランド力なども問われます。

少子化は単純に「大学が余る」という問題ではなく、

大学そのものの選別が進む時代への変化ともいえるでしょう。

 

これからの大学選びに必要なこと

これから大学を選ぶ際には、「偏差値」だけではなく、

入試方式、募集人数、就職実績、学費、通学環境などを

含めて考えることがより重要になりそうです。

また、推薦・総合型選抜を利用するのか、

一般選抜で挑戦するのかによって、

準備する内容も大きく変わります。

「大学全入だから大丈夫」と考えるのではなく、

自分がどの大学・学部を目指すのか、

そしてどの入試方式で受験するのかを早い段階から考える必要があります。

少子化によって大学そのものは余る時代になっている一方で、

受験生にとっては「選ばれる大学」と「選ばれにくい大学」

の差が広がっています。

大学全入時代は、必ずしも「誰でも希望する大学に入れる時代」

という意味ではありません。

むしろ、大学の数が多いからこそ、

どの大学を選び、どのような進路につなげるのかを考えることが、

これまで以上に重要な時代になっているのかもしれません。

「住み続けたい県」全国1位

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

日本の地方で「若者の流出」が深刻な問題になる中、

「このまま地元に住み続けたい」と答える若者の割合が

全国で最も高かった県がどこかご存知ですか?

正解は、歴史と自然が息づく「奈良県」です。

今回は、日本財団の「18歳意識調査」などで注目を集める

奈良県の若者定着の背景と、

県内自治体のユニークな取り組みをまとめてご紹介します。

 

1. 奈良県から若者が「離れない」3つの理由

かつては「進学を機に県外へ出ていってしまう」と言われていた奈良県。

しかし、近年のデータからは若者の「地元愛」が見えてきます。

その理由としては

高い継続居住意向:日本財団の「18歳意識調査」によると、

奈良県の18歳前後の若者は「今の地域に住み続けたい」と答えた割合が

全国トップの80.0%を記録。

歴史・文化への愛着:明日香村の古墳群をはじめ、

身近にある世界遺産や歴史的価値への理解が、

若者のプライドを育てています。

近隣都市へのアクセスの良さ:大阪や京都などの大都市圏へ

「実家から通学・通勤」できるため、進学を機に移住する必要がありません。

「実家から通える」という地理的メリットに、

精神的な「地元愛」がプラスされているのが強みと言えます。

 

2. 【天理市】10代後半の転入超過

奈良県内でも、特に10代後半の人口流入で圧倒的な結果を出しているのが

天理市です。

社会増のけん引役:2025年の奈良県全体の転入超過数275人のうち、

230人を天理市が占めています。

豊富な教育機関:天理大学や天理高校などがあり、学生寮も整備されているため、

15〜19歳の若者が全国から集まります。

まちづくりへの参画:単に住むだけでなく、

学生が地域のコミュニティやイベントに関わり、

「自分の居場所」を感じられる仕組みがあります。

 

3.他市町村の若者定着への取組

奈良県内の他の自治体も、それぞれの強みを活かして

「経済」「仕事」「住まい」の面から若者をサポートしています。

 

① 奈良市:手厚い経済支援で「定着」を狙う

奨学金返還支援:市内企業で働く若者に、最大200万円の返還支援金を支給。

子育て移住支援:39歳以下の転入子育て世帯に最大40万円を直接支給。

産地学館の連携:奈良国立大学機構などと組み、地元就職をバックアップ。

 

② 王寺町:大阪への近さを活かした「ベッドタウン戦略」

U-40定住支援:40歳未満の住宅取得費用を補助。

地銀との連携:地方銀行と連携し、若者向けの住宅ローン金利優遇プランを用意。

 

③ 三宅町:「学生×スタートアップ」の未来投資

学生と県内外のスタートアップ企業がリアルに交流し、

新しい産業や雇用を生み出す場づくりを展開。

 

奈良県の取り組みを見ていると、ただ「残ってほしい」と願うだけでなく、

「地元の魅力を高める制度」と「若者が活躍できるまちづくり」

がセットで動いていると思います。

こうした地域ぐるみのバックアップがあるからこそ、若者たちに

「ここから出る必要がない」「一度出ても、また地元に戻ろう」

という気持ちが生まれているのではないでしょうか。

「進化する猫カフェ」から学ぶ差別化の事業計画

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

みなさんは、「猫カフェ」に行かれたことはありますか?

 

調査によると、日本国内では2017年に

猫の飼育数が犬の飼育数を超え、

それ以降も猫の数が犬を上回る状態が続いています。

 

猫は、

・毎日の散歩やしつけの手間が少ないこと

・高齢化や独り暮らしでも買いやすいこと

・住宅環境の制限を受けにくいこと

から飼育数が安定して多い状態を保っています。

 

といっても、ペット禁止のマンションやアパートに住んでいる、

家族に猫アレルギーの人がいるなど

猫を飼いたくても飼えない環境にいる方も

いらっしゃいます。

 

猫カフェは1998年に台湾で世界初の店舗が誕生し、

その後2004年に日本へ上陸したのをきっかけに、

住宅事情のミスマッチやストレス社会での癒しの需要から

都市部を中心に爆発的なブームとなりました。

街を歩いていても、

看板をチラホラ見かけることが多くなったと思います。

実は今、その猫カフェが

想像を超える「進化」を遂げているのをご存知でしょうか。

本日は猫カフェとはそもそもどんな施設なのか?

今、猫カフェがどのように進化していっているのか?

について見ていきたいと思います。

 

そもそも猫カフェとは?

猫カフェとは、店内で複数の猫が放し飼いにされ、

自由に過ごしている空間のこと。

お茶を飲みながら、あるいは猫と直接触れ合うことで、

日常の忙しさを忘れて癒やしの時間を過ごせる素敵な施設です。

 

しかし、最近の猫カフェは

「ただ猫と触れ合う場所」だけにとどまりません。

 

「猫」をベースに広がる、猫カフェの新しい形

現代のニーズに合わせて、

猫カフェは次のような驚きの進化を遂げています。

 

・コワーキングスペースの併設

猫に見守られながら、PC作業や仕事ができる空間です。

「自宅やカフェよりも癒やされて仕事がはかどる」と、

リモートワーカーの間で人気を集めています。

 

・保護猫活動の拠点

お店自体が保護猫の家となり、里親探し(マッチング)や

社会貢献を兼ねた運営スタイルです。

お店に行くこと自体が、猫を救う支援につながります。

 

・多様なサービスの融合

単なる「カフェ」という枠を超え、読書、勉強、ファン同士の交流など、

さまざまな目的を持って人々が集まる多機能な空間へと進化しています。

 

この進化の最も興味深いところは、

すべての施設が「猫」をベースにしながらも、

「誰の、どんなニーズ(問題)を解決するか」という目的が明確な点です。

・仕事に集中しつつ癒やされたい人 = コワーキング型

・猫の殺処分問題を解決したい、力になりたい人 = 保護猫マッチング型

 

ただの猫カフェだと「たまに行く癒やしの場所」で終わってしまいますが、

ターゲットのニーズに焦点を当てることで、

必要としている人からすれば「まさにこれを求めていた!」

と思える唯一無二の施設になります。

 

共通の「猫」という存在を軸にしながら、

社会問題の解決や新しいライフスタイルの提案へと

コラボレーションしていく姿は、

まさに現代ならではの面白い進化だと言えます。

ゲームとの付き合い方を考える

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

スマホを眺めていたら

いつの間にか何時間もたってしまった…

こんな経験ありませんでしょうか。

スマホを見始めたり、ゲームを始めると

あっという間に時が過ぎてしまいますよね。

 

今は、スマートフォンやゲーム機が身近な存在となり、

子どもの頃からデジタル機器に触れることが

当たり前になっています。

そんな中、若年層のゲームとの付き合い方を

考えさせられる調査結果が公表されました。

 

国立病院機構久里浜医療センターの調査では、

10〜29歳のうち「ゲーム行動症」の疑いがある人の割合が

10.3%となりました。

前回調査の5.1%から大きく増えており、

若年層におけるゲームとの関わり方が

新たな課題となっています。

特に、依存傾向がみられる人では、

休日にオンラインゲームを1日6時間以上利用する人も

少なくありません。

ゲームをすること自体が問題なのではなく、

「やめたいと思ってもやめられない」

「学校や仕事、睡眠などよりゲームを優先してしまう」

といった状態が続き、日常生活に支障が出ることが問題となります。

若い時期は、自分の気持ちや行動を

コントロールする力を身につけていく大切な時期です。

ゲームやスマートフォンを一律に禁止するのではなく、

睡眠や食事、学校生活などとのバランスを考えながら、

自分で利用時間を調整する習慣を身につけることも

大切なのではないでしょうか。

そして、本人の努力だけでは

コントロールが難しくなっている場合には、

家族や学校など周囲が変化に気づき、

必要な支援につなげることも重要です。

 

デジタル機器が生活に欠かせない時代だからこそ、

「使わせない」のではなく、

「どう付き合っていくか」を一緒に考えることが、

これからますます大切になりそうです。

日本の化粧品メーカーの今後

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

本日は昨日に引き続き化粧品業界について

書かせていただきたいと思います。

韓国のODMによる「開発の速さ」。

そして、巨大な国内市場と生産力を背景に台頭してきた

中国の化粧品メーカー。

アジアの化粧品市場では、

韓国と中国の存在感が急速に高まっています。

では、日本の化粧品メーカーはどうでしょうか。

日本の強みは、やはり品質と研究開発力です。

長年の研究によって培われた技術や、安全性へのこだわりは、

日本の化粧品が持つ大きな財産です。

以前のブログでも

肌遺伝子データを活用した「個別最適型の化粧品」や

美容サービスの開発が加速しているということを

書かせていただきました。

ただ、「良い商品を作る」だけでは、世界市場で勝つことが難しくなっています。

韓国のように素早く商品を生み出し、SNSなどで広げる力。

中国のように、大きな市場とデジタルを活用して商品を成長させる力。

こうした新しい競争力も必要になっているようです。

日本に求められているのは、

韓国や中国をそのまま真似することではないと思います。

日本が得意としてきた「品質・技術」に、

「スピード・発信力」をどう組み合わせるか。

これからの日本の化粧品産業は、

そこが大きなポイントになりそうです。

「良いものを作る日本」から、

「良いものを作り、それを世界に素早く届ける日本」へ。

化粧品の世界でも、そんな変化が始まっているのかもしれません。

韓国ODMは「化粧品版TSMC」なのか?

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

前回は、半導体の世界でTSMCがなぜ強いのか

について書きました。

ポイントは、「設計する会社」と「製造する会社」

を分ける水平分業です。

NVIDIAなどが半導体を設計し、TSMCが製造する。

TSMCは自社ブランドで顧客と競争するのではなく、

世界中の企業を支える「製造プラットフォーム」になっています。

実は、化粧品にも似た仕組みがあります。

それが、韓国のODMです。

韓国のODM企業は、ブランドから、

「こんなコンセプトの商品を作りたい」

という依頼を受けると、

処方開発から商品設計、製造までを幅広く支援します。

つまり、ブランド側がすべてを自前で用意する必要がありません。

COSMAX(コスマックス)などの大手ODM企業が、

化粧品を「作る」だけでなく、

「商品を生み出すところ」から支えるのです。

これによって、新しいブランドが市場に参入するハードルは

大きく下がります。

さらに重要なのがスピードです。

SNSで新しいトレンドが生まれる。

ブランドが商品化を考える。

ODM企業が処方・商品開発・製造を進める。

市場に投入する。

この流れが速ければ速いほど、トレンドをビジネスに変えることができます。

K-Beautyの強さは、表に出ているブランドだけではありません。

その裏側に、

「新しい化粧品を素早く生み出す産業基盤」

があります。

TSMCが半導体の製造プラットフォームだとすれば、

韓国ODMは化粧品の商品開発・製造プラットフォームと

見ることができます。

どちらも、

「自分がブランドとして顧客と競争する」のではなく、

「顧客が商品を作り、売るための基盤になる」

という点が共通しています。

もちろん、TSMCとODMは同じビジネスではありません。

TSMCは主に製造に特化していますが、

ODMは企画や処方開発まで入り込む。

それでも、

「産業の裏側にあるプラットフォームが、表側のブランドを増やしていく」

という構造には共通点があります。

そして、ここに中国が入ってきます。

巨大な国内市場と製造力を持つ中国では、

国産ブランドの成長だけでなく、

ODMや原料、容器、サプライチェーンも急速に発展しています。

韓国が築いた「開発とスピード」のエコシステムに、

中国の「市場と規模」がぶつかり始めている。

では、日本はこの競争の中で、どこに立つのでしょうか。

別の回に日本の化粧品産業について考えてみたいと思います。

半導体産業を変えた「ファウンドリ」という仕組み

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

「TSMC(台湾積体電路製造)」という会社をご存じでしょうか。

AppleやNVIDIA(エヌビディア)ほど一般には知られていないかもしれません。

しかし、スマートフォンやAI、データセンターなど、

現在のデジタル社会を支える半導体の世界では、

TSMCは極めて重要な存在です。

では、TSMCは何をしている会社なのでしょうか。

一言で言えば、

「他社が設計した半導体を、製造する会社」

です。

ここに、TSMCの強さの秘密があります。

以前の半導体産業では、半導体の設計から製造までを

一社で行うのが一般的でした。

しかし半導体が高度になるにつれ、最先端の工場を作るためには、

莫大な投資と高度な技術が必要になりました。

そこで生まれたのが、

「設計する会社」と「製造する会社」を分ける

という考え方です。

半導体を設計する企業は、設計に集中する。

そして製造は、専門の会社に任せる。

この製造専門会社をファウンドリと呼びます。

その代表がTSMCです。

例えばNVIDIAがAI向け半導体を設計する。

その設計データをTSMCが受け取る。

TSMCが実際の半導体を製造する。

非常にシンプルですが、産業構造としては大きな革命でした。

なぜ「作ること」に特化すると強いのか?

ここがポイントです。

NVIDIAのような企業は、自社で最先端の巨大工場を持つ必要がありません。

「自分たちは世界最高の半導体を設計する」

そして、

「製造はTSMCに任せる」

という分業ができます。

一方、TSMCは製造に徹底的に集中する。

最先端の設備に投資し、製造技術を磨き、品質を高める。

つまり、

設計する会社は設計を極める。

製造する会社は製造を極める。

それぞれが自分の得意分野に集中できるわけです。

これが「水平分業」です。

しかし、TSMCの本当の強さは、

単に工場の性能が高いことだけではありません。

世界中の半導体企業がTSMCを利用することで、

設計会社、

装置メーカー、

材料メーカー、

ソフトウェア企業など、

さまざまな企業がTSMCを中心につながっていきます。

すると、

「TSMCを使う企業が増える」

「製造の経験とノウハウが蓄積する」

「さらに製造能力が高くなる」

「もっと多くの企業がTSMCを使う」

という循環が生まれます。

これがエコシステムです。

TSMCは、単なる「半導体工場」ではなく、

世界中の半導体企業が利用する製造プラットフォーム(土台や基盤)

になったのです。

もう一つ重要なのが、

TSMCが基本的に顧客と同じ製品ブランドで競争しないことです。

NVIDIAがGPU(画像処理半導体)を作る。

Appleが独自の半導体を設計する。

その一方で、TSMCはそれらの製造を支える。

だからこそ、さまざまな企業がTSMCを

パートナーとして利用できます。

つまり、

「自分で製品を売って勝つ」のではなく、

「顧客が勝てるようにすることで、自分も成長する」

というビジネスモデルです。

これは非常に強い。

顧客が増えるほど、自社のプラットフォームも大きくなるからです。

TSMCの事例から見えてくるのは、これからの産業競争では、

「何を作って売るか」だけではなく、

「誰が産業のプラットフォームを握るか」

が重要になるということです。

自社ですべてを抱えるのではなく、

「設計する会社」

「作る会社」

「材料を作る会社」

「販売する会社」

が、それぞれの得意分野を持ち寄る。

その中心に、強力なプラットフォームが生まれる。

半導体では、それがTSMCでした。

では、同じようなことが、

私たちにとってもっと身近な産業でも起きているとしたら?

実は、その代表例の一つが化粧品です。

韓国では、ブランド自身が研究所や工場を持たなくても、

「こんな商品を作りたい」

というアイデアから、処方、商品開発、デザイン、

製造までを支援する企業が成長しています。

それが、

「ODM」(設計受託製造)

です。

韓国のODMについてはまた後日

見ていきたいと思います。

中国製エアコンが欧州で大ヒット

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

欧州は現在、地球温暖化の影響を強く受けており、

世界平均の約2倍の速さで温暖化が進む

「世界で最も急速に暑くなっている大陸」と

なっています。

記録的な猛暑に見舞われた欧州で、

中国系家電メーカーのエアコンや

暑さ対策製品が注目されています。

特に需要が伸びているのが、

外壁に大掛かりな工事をする必要がない

移動式のエアコンです。

背景には、欧州特有の住宅事情があります。

欧州には歴史的な建物や古い集合住宅が多く、

地域によっては景観や建物の外観を守るため、

外壁に穴を開けたり室外機を設置したりすることが

簡単ではありません。

また、賃貸住宅では大家の許可が必要になったり、

集合住宅では管理組合などとの調整が

必要になったりする場合もあります。

さらに、歴史的に涼しい気候だった欧州では

一般家庭や公共交通機関に冷房がないことが多く、

急激な暑さに対応できていません。

これまでエアコンの普及率が比較的低かったため、

猛暑になってからエアコンを導入しようとしても、

設置できる業者が不足しているという問題もあります。

こうした中で登場したのが、窓などを利用して設置でき、

外壁への工事を必要としないタイプの製品です。

室内機と室外機を簡単な配管でつなぎ、

窓やバルコニーの隙間などを利用して設置できるため、

従来のエアコンよりも導入のハードルを下げることが

できます。

つまり、

「暑いのでエアコンが欲しい」


→「でも建物に穴を開けられない」

「大家や管理組合の許可も必要」


→「設置業者もすぐには見つからない」

という欧州の事情に対して、

工事の負担を抑えた商品がうまく対応したということです。

今回の動きで興味深いのは、

単純に「価格が安いから売れた」ということではありません。

その地域で当たり前になっている住宅事情や

規制によって生まれていた「不便」に目を向け、

それを商品設計によって解決したことにあります。

海外市場で商品を展開する場合、

自国で売れているものをそのまま持ち込むだけでは、

必ずしも受け入れられるとは限りません。

その国の住宅、法律、文化、生活習慣の中で、

消費者が何に困っているのか。

そこまで考えて商品を変えていくことが、

海外市場で成功するための一つのポイントになりそうです。