
皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
前回は、半導体の世界でTSMCがなぜ強いのか
について書きました。
ポイントは、「設計する会社」と「製造する会社」
を分ける水平分業です。
NVIDIAなどが半導体を設計し、TSMCが製造する。
TSMCは自社ブランドで顧客と競争するのではなく、
世界中の企業を支える「製造プラットフォーム」になっています。
実は、化粧品にも似た仕組みがあります。
それが、韓国のODMです。
韓国のODM企業は、ブランドから、
「こんなコンセプトの商品を作りたい」
という依頼を受けると、
処方開発から商品設計、製造までを幅広く支援します。
つまり、ブランド側がすべてを自前で用意する必要がありません。
COSMAX(コスマックス)などの大手ODM企業が、
化粧品を「作る」だけでなく、
「商品を生み出すところ」から支えるのです。
これによって、新しいブランドが市場に参入するハードルは
大きく下がります。
さらに重要なのがスピードです。
SNSで新しいトレンドが生まれる。
↓
ブランドが商品化を考える。
↓
ODM企業が処方・商品開発・製造を進める。
↓
市場に投入する。
この流れが速ければ速いほど、トレンドをビジネスに変えることができます。
K-Beautyの強さは、表に出ているブランドだけではありません。
その裏側に、
「新しい化粧品を素早く生み出す産業基盤」
があります。
TSMCが半導体の製造プラットフォームだとすれば、
韓国ODMは化粧品の商品開発・製造プラットフォームと
見ることができます。
どちらも、
「自分がブランドとして顧客と競争する」のではなく、
「顧客が商品を作り、売るための基盤になる」
という点が共通しています。
もちろん、TSMCとODMは同じビジネスではありません。
TSMCは主に製造に特化していますが、
ODMは企画や処方開発まで入り込む。
それでも、
「産業の裏側にあるプラットフォームが、表側のブランドを増やしていく」
という構造には共通点があります。
そして、ここに中国が入ってきます。
巨大な国内市場と製造力を持つ中国では、
国産ブランドの成長だけでなく、
ODMや原料、容器、サプライチェーンも急速に発展しています。
韓国が築いた「開発とスピード」のエコシステムに、
中国の「市場と規模」がぶつかり始めている。
では、日本はこの競争の中で、どこに立つのでしょうか。
別の回に日本の化粧品産業について考えてみたいと思います。