
皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
日本の地方で「若者の流出」が深刻な問題になる中、
「このまま地元に住み続けたい」と答える若者の割合が
全国で最も高かった県がどこかご存知ですか?
正解は、歴史と自然が息づく「奈良県」です。
今回は、日本財団の「18歳意識調査」などで注目を集める
奈良県の若者定着の背景と、
県内自治体のユニークな取り組みをまとめてご紹介します。
1. 奈良県から若者が「離れない」3つの理由
かつては「進学を機に県外へ出ていってしまう」と言われていた奈良県。
しかし、近年のデータからは若者の「地元愛」が見えてきます。
その理由としては
・高い継続居住意向:日本財団の「18歳意識調査」によると、
奈良県の18歳前後の若者は「今の地域に住み続けたい」と答えた割合が
全国トップの80.0%を記録。
・歴史・文化への愛着:明日香村の古墳群をはじめ、
身近にある世界遺産や歴史的価値への理解が、
若者のプライドを育てています。
・近隣都市へのアクセスの良さ:大阪や京都などの大都市圏へ
「実家から通学・通勤」できるため、進学を機に移住する必要がありません。
「実家から通える」という地理的メリットに、
精神的な「地元愛」がプラスされているのが強みと言えます。
2. 【天理市】10代後半の転入超過
奈良県内でも、特に10代後半の人口流入で圧倒的な結果を出しているのが
天理市です。
社会増のけん引役:2025年の奈良県全体の転入超過数275人のうち、
230人を天理市が占めています。
・豊富な教育機関:天理大学や天理高校などがあり、学生寮も整備されているため、
15〜19歳の若者が全国から集まります。
・まちづくりへの参画:単に住むだけでなく、
学生が地域のコミュニティやイベントに関わり、
「自分の居場所」を感じられる仕組みがあります。
3.他市町村の若者定着への取組
奈良県内の他の自治体も、それぞれの強みを活かして
「経済」「仕事」「住まい」の面から若者をサポートしています。
① 奈良市:手厚い経済支援で「定着」を狙う
奨学金返還支援:市内企業で働く若者に、最大200万円の返還支援金を支給。
子育て移住支援:39歳以下の転入子育て世帯に最大40万円を直接支給。
産地学館の連携:奈良国立大学機構などと組み、地元就職をバックアップ。
② 王寺町:大阪への近さを活かした「ベッドタウン戦略」
U-40定住支援:40歳未満の住宅取得費用を補助。
地銀との連携:地方銀行と連携し、若者向けの住宅ローン金利優遇プランを用意。
③ 三宅町:「学生×スタートアップ」の未来投資
学生と県内外のスタートアップ企業がリアルに交流し、
新しい産業や雇用を生み出す場づくりを展開。
奈良県の取り組みを見ていると、ただ「残ってほしい」と願うだけでなく、
「地元の魅力を高める制度」と「若者が活躍できるまちづくり」
がセットで動いていると思います。
こうした地域ぐるみのバックアップがあるからこそ、若者たちに
「ここから出る必要がない」「一度出ても、また地元に戻ろう」
という気持ちが生まれているのではないでしょうか。