月別アーカイブ: 2026年9月

広がる空き家問題とこれからの選択肢

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

 

自分が亡くなった後、今住んでいる家をどうするのか。

かつては、親が住んでいた家を子どもが引き継ぎ、

住み続けることが一般的な選択肢の一つでした。

しかし、家族のあり方や暮らし方が変化するなかで、

住まいの引き継ぎに対する考え方も変わりつつあります。

リクルートの意識調査では、

50〜69歳で子どもがいる人のうち、

自分の死後に住まいを子どもに引き継いでほしいと考える人は

少数にとどまりました。この結果から見えてくるのは、

相続の問題だけではありません。親が大切にしてきた家を、

子どもが引き継ぐとは限らない。

そうなると、個々の家庭の問題だった住まいの行き先が、

空き家の増加や地域の暮らしを支える仕組みとも深く関わってきます。

 

子どもに家を引き継いでほしい人は少数派に

今回の調査で示された数字は、次のとおりです。

【調査項目と 割合】
自分の死後、子どもに住まいを引き継いでほしい →4.4%
できれば子どもに住んでほしい →7.3%

(調査対象は50〜69歳で子どもがいる人、調査時期は3月です。)

この2つの回答を合わせても

子どもに家を引き継いでほしい人は全体の11.7%です。

もちろん、「子どもに住んでほしくない」という回答が、

そのまま家を処分したいという意味になるわけではありません。

売却したい人もいれば、賃貸に出したい人、

自分が亡くなった後のことはまだ決めていない人もいるでしょう。

ただ、少なくとも、親が住んでいた家を子どもが引き継いで住むという形が、

必ずしも望ましいとは考えられていないことがうかがえます。

その背景には、子ども世代がすでに自分の住まいを持っていることや、

仕事や結婚などによって親とは異なる地域で生活していることも

考えられます。
親にとっては思い出の詰まった家でも、子どもにとっては、

住む予定のない住宅かもしれません。

家を相続することが、必ずしも子どもにとって喜ばしいこととは限らない。

そんな時代に変わってきているのではないでしょうか。

 

家族の問題が、社会全体の空き家問題へ

住む人がいなくなった家は、

相続人がいれば自動的に解決するわけではありません。

  • 遠方に住んでいるため管理が難しい。
  • 売却したくても買い手が見つからない。
  • 建物が古く、修繕費がかかる。

こうした事情が重なると、住宅が使われないまま残ってしまう可能性があります。

空き家が増えることは、所有者や相続人だけの問題ではありません。

  • 建物の老朽化による倒壊や防災上のリスク
  • 雑草や害虫、ごみなどによる周辺環境への影響
  • 地域の人口減少や商店街の活力低下
  • 住宅があるにもかかわらず、新しく住みたい人が住めないというミスマッチ

 

つまり、住まいの引き継ぎ手がいないという個々の家庭の問題が、

地域全体の課題につながっていきます。

一方で、空き家があるということは、見方を変えれば、

すでに建物という資源が地域に存在しているということでもあります。

新しく建物を建てなくても、既存の住宅を活用することで、

移住者の住まいや地域の活動拠点を生み出せる可能性があります。

大切なのは、家を誰が相続するかだけではなく、

その家をこれから誰が使い、

地域の中でどのような役割を果たせるかという視点だと思います。

 

住まいを地域に開く、新しい活用方法

子どもが住まない住宅の行き先は、売却や通常の賃貸だけではありません。

地域の需要に合わせて活用する方法も考えられます。

 

・ 一定期間住んだ後に家を譲り受ける「譲渡型賃貸」

住宅を一定期間賃貸し、その後、入居者に譲渡することを

契約で定める仕組みです。

例えば、住宅を取得するための資金が十分にない人や、

住宅ローンを組むことが難しい人にとって、

住まいを確保する選択肢になる可能性があります。

所有者にとっても、将来的な住宅の引き継ぎ先を見つける

一つの方法になります。

ただし、契約の内容によって、

賃貸借と売買・贈与の関係や税金、修繕費の負担などが異なります。

家賃を支払えば自動的に所有権が移るわけではないため、

事前の契約設計が重要です。

 

・地域の人が集まる居場所として活用する

住宅を地域の交流拠点として活用する方法もあります。

例えば、日替わりカフェや子ども食堂、

地域住民の交流スペース、ワークショップの会場などです。

空き家を単に住宅として貸し出すのではなく、地域の人が集まり、

活動できる場所へと変えていく考え方です。

また、移住を検討している人向けのお試し住宅として活用すれば、

地域の暮らしを実際に体験してもらうこともできます。

特に人口減少が進む地域では、

住宅を確保することが移住や定住を支える取り組みにつながる可能性があります。

 

・ シェアハウスや仕事場として活用する

家族で住むことを前提とした住宅を、

複数の人が利用する空間に変える方法です。

例えば、シェアハウスとして単身者や移住者に貸し出したり、

コワーキングスペースや小規模事業者の仕事場として活用したりすることが

考えられます。

在宅勤務や小規模な起業など、働き方が多様化するなかで、

住宅の一部を仕事や事業に利用する需要も考えられます。

もちろん、用途変更や建築基準、消防、設備などの条件を

確認する必要がありますが、住宅の立地や間取りによっては、

新しい事業の拠点になる可能性もあります。

 

・自治体の空き家バンクや民間団体を通じて次の使い手を探す

空き家を自治体に寄付すれば、そのまま引き取ってもらえるとは限りません。

自治体にとっても、住宅の維持管理や修繕には費用がかかるため、

寄付を受け入れるかどうかは個別の判断になります。

そこで選択肢となるのが、自治体の空き家バンクや不動産事業者などを通じて、

次の所有者や利用者を探す方法です。

また、地域で福祉や子育て支援などに取り組むNPO法人などが、

活動拠点として住宅を必要としている場合もあります。

ただし、NPOであれば必ず引き取れるわけではなく、

建物の状態や維持管理費、利用目的などを踏まえた調整が必要です。

家を手放すことと、地域で活用してもらうこと。

その両方を実現するには、所有者だけでなく、

受け入れる側の負担や地域の需要も考える必要があります。

 

これからは「誰に残すか」だけでなく「どう活かすか」

これまで住宅の相続というと、親から子へ、

家族の中で財産を引き継ぐという考え方が中心でした。

しかし、子どもが必ずしも親の家に住むとは限らない時代には、

住まいの行き先を家族だけで考えることが難しくなってきています。

住宅を売却するのか、貸し出すのか、地域に開くのか。

それぞれの家の立地や建物の状態、所有者の希望によって、

選択肢は異なります。

奈良県内でも、人口減少が進む地域がある一方、

歴史的な町並みや古民家など、地域ならではの住宅資源があります。

こうした住宅を、移住者の住まいや地域の交流拠点、

小さな事業の場として活用できれば、

空き家対策と地域の活性化を結びつけることも考えられます。

家は、所有者にとって大切な財産であると同時に、

地域にとっても暮らしや活動を支える資源です。

子どもに家を残すことだけが、住まいを次の世代につなぐ方法ではありません。

これからは、家族の中で引き継ぐという選択に加えて、

地域の中で住まいを活かし、次に必要とする人へつないでいくことも、

空き家問題を考えるうえで大切になっていくのではないでしょうか。

 

 

 

2026年10月から「就活セクハラ」対策が企業の義務に

こんにちは。
奈良市富雄の行政書士、松岡です。

2026年10月1日から、企業のハラスメント対策がさらに強化されます。

本日は、新聞で報道されている記事からその概要について

情報としてご紹介したいと思います。

(詳しくは、社会保険労務士等専門家へご相談ください。)

今回の改正では、

これまでの職場におけるセクシュアルハラスメント対策に加えて、

就職活動中の学生やインターンシップ参加者など、

「求職者等」に対するセクシュアルハラスメントを防止するための措置が、

事業主の義務となります。

いわゆる「就活セクハラ」への対策です。

 

「就活セクハラ」とは?

採用面接やインターンシップ、企業説明会、社員への訪問など、

就職活動に関係する場面で、企業の労働者が求職者等に対して性的な言動を行い、

その就職活動などを妨げることが問題となります。

対象となる場面は、面接だけではありません。

例えば、

・採用面接
・会社説明会
・インターンシップ
・社員へのOB・OG訪問
・教育実習や看護実習など
・SNSやオンラインでのやり取り

なども対象となります。

 

こんな対応は要注意です

特に注意したいのが、採用する側と応募する側の立場の違いを利用した言動です。

例えば、

「彼氏・彼女はいるの?」
「結婚する予定はあるの?」
「子どもを産む予定は?」

といった、採用に必要のないプライベートな質問。

また、

「かわいいね」
「スタイルがいいね」

など、本人が不快に感じる可能性のある容姿に関する発言も、

相手との関係や状況によっては問題となる可能性があります。

さらに、インターンシップ中に性的な冗談やからかいを繰り返したり、

社員への訪問を利用して性的な関係を求めたりすることも、

就活セクハラの例として示されています。

特に問題となるのは、

「言うことを聞けば内定を出す」
「断ったら採用しない」

など、採用上の立場を利用して性的な要求をするケースです。

採用する側からすれば冗談のつもりでも、

相手にとっては「採用に影響するかもしれない」と感じ、

断りにくい状況になることがあります。

 

事業主は何を準備すればいいのか

今回の改正で、

企業には単に「セクハラをしないように注意する」だけではなく、

具体的な防止措置が求められます。

主なものとして、

 

① 方針を明確にする

求職者等に対するセクハラを行ってはならないこと、

違反した場合には適切に対処することなどを明確にし、

従業員へ周知・啓発します。

 

② 採用活動のルールを決める

面談の場所や時間、複数人で対応する体制、使用するSNSなど、

求職者等と接する際のルールをあらかじめ決めておくことが求められます。

 

③ 相談窓口を設ける

求職者等がセクハラを受けた場合に相談できる窓口をあらかじめ定め、

そのことを求職者等にも周知します。

 

④ 問題が起きた場合に適切に対応する

相談があった場合には、事実関係を迅速かつ正確に確認し、

被害を受けた人への配慮、行為者への適切な対応、

再発防止などを行います。

また、相談者や調査に協力した人のプライバシーを守ることや、

相談・協力したことを理由として不利益な扱いをしないことも

求められています。

 

「採用担当者だけの問題」ではありません

今回の改正で特に注意したいのは、

採用担当者だけを対象に考えてはいけないということです。

例えば、OB・OG訪問で学生と接する社員や、

インターンシップの指導を担当する社員なども、

求職者等と接する機会があります。

そのため企業としては、

「採用担当者には説明したから大丈夫」

ではなく、求職者等と接する可能性のある社員全体にルールを

共有しておくことが重要です。

また、SNSやオンラインでのやり取りも対象となるため、

「会社の外だから関係ない」というわけでもありません。

 

企業が確認しておきたいこと

企業では、

・採用活動に関するハラスメント方針の確認
・採用担当者やインターンシップ担当者への周知
・OB・OG訪問などのルール確認
・面談場所や実施体制の見直し
・SNSやメールなどの連絡方法の整理
・相談窓口の確認
・問題発生時の対応手順の整備

などを確認しておくとよいと言われています。

今回の改正は、学生や求職者を守ることだけが目的ではありません。

企業にとっても、採用活動でのトラブルを防ぎ、

安心して働ける職場づくりにつなげるための重要な取り組みです。

「今まで問題なくやってきたから大丈夫」と考えるのではなく、

採用する側と応募する側の立場の違いを踏まえて、

採用活動そのものを見直す機会と考えることが大切ではないでしょうか。

法改正によって、事業者が求められる対応も変わります。

自社のルールや社内体制について、

一度確認しておくことが大切です。

 

※今回の制度改正の詳細や具体的な対応については、

厚生労働省が公表している改正法・指針等をご確認ください。

また、具体的な就業規則の変更や労務管理については、

社会保険労務士等の専門家にご相談ください

 

奥大和で始まっている新しい人口対策

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

 

奈良県南部・東部の「奥大和」で、移住の形が少しずつ変わっています。

これまで地方への移住というと、

「自然豊かな場所で暮らしたい」
「都会を離れてゆっくり暮らしたい」
「古民家で田舎暮らしをしてみたい」

といったイメージが強かったかもしれません。

ところが最近は、「子どもの教育環境」を理由に地域を選ぶ家族にも

注目が集まっています。

奥大和は奈良県南部・東部の19市町村からなる地域で、

県全体の約8割の面積を占めています。

山や川に囲まれた自然豊かな地域ですが、

一方で人口減少や少子化という課題も抱えています。

そこで自治体が力を入れているのが、

「移住してもらう」だけではなく、

「ここで子どもを育てたい」と思ってもらえる環境づくりです。

 

少人数だからこそできる教育

その代表例の一つが川上村です。

川上村では、義務教育学校「かわかみ源流学園」を設け、

地域の自然を生かした教育など、

村ならではの学びを進めています。

「子どもの数が少ない」という地方の弱点を、

逆に「一人ひとりに目が届きやすい教育環境」

という特徴に変えていく発想です。

また、上北山村でも「上北山やまゆり学園」

という義務教育学校が設けられています。

上北山村では、2014年度から施設一体型の小中一貫教育を始め、

2017年度には保育園も同じ施設に併設。

2020年度からは義務教育学校として、

保・小・中をつなぐ教育体制を整えています。

さらに、やまゆり保育園は定員19人という小規模な保育環境で、

少人数ならではのきめ細かな保育を特徴としています。

保育料と給食費も無料とされています。

都市部では「子どもの数が多いこと」が学校の活気につながります。

一方、山村では「少人数だからこそ、

一人ひとりを大切にできる」という別の価値を打ち出すことができます。

 

「いきなり移住しない」という選択肢

もう一つ興味深いのが、移住する前に地域を体験してもらう仕組みです。

奈良県は奥大和で「暮らす奥大和」という

ローカルステイ・プログラムを実施しています。

単に観光地を巡るのではありません。

地域の住民がホストとなり、

「どんな家があるのか」
「仕事はあるのか」
「学校はどうなっているのか」
「病院や買い物はどうするのか」

といった、実際に暮らすうえで気になることを現地で知ることができます。

つまり、

観光 → 移住

ではなく、

体験 → 地域を知る → 暮らしを考える → 移住

という段階をつくっているわけです。

2026年には、奥大和の複数地域を2泊3日で巡り、

実際に地域で暮らす人から話を聞く

「奥大和暮らし探索ツアー」も実施されています。

参加費・宿泊費は無料という仕組みでした。

 

「教育」だけでは移住は決まらない

もちろん、学校が魅力的だからといって、それだけで移住できるわけではありません。

親には仕事があります。

住む家も必要です。

病院や買い物の環境も気になります。

子どもが高校へ進学するときのことも考えなければなりません。

だからこそ、奥大和の取り組みで興味深いのは、

教育だけを売り込むのではなく、

暮らし全体を体験してもらおうとしていることです。

川上村の移住・定住サイトでも、教育だけでなく、

子育て支援、住まい、仕事、移住体験などをまとめて紹介しています。

地方への移住を考える人にとっては、

「自然が豊か」

だけでは足りません。

「そこで家族がどう暮らせるのか」

まで見えることが重要になってきます。

 

人口減少への対策は「人を増やす」だけではない

地方の人口減少対策というと、企業誘致や観光客の増加などが注目されがちです。

もちろん、それらも重要です。

しかし、子育て世帯が移住すれば、単純に住民が1人増えるだけではありません。

子どもが学校に通い、親が地域で働き、住宅を借りたり購入したりする。

さらに、地域の店を利用し、地域活動に参加する。

家族単位で地域との関係が生まれていきます。

だからこそ、「どんな人に住んでもらいたいのか」を考えた地域づくり

が重要になっているのかもしれません。

奥大和の取り組みを見ていると、

その一つの答えとして

「子どもを育てたい家族」というターゲットが見えてきます。

人口減少が続く地域でも、

「人が減っているから、何とか増やそう」

だけではなく、

「この地域だからこそ選びたいと思ってもらえる理由をつくる」

という発想が、これからますます重要になってくるのではないでしょうか。

奈良の山村で進んでいる「教育移住」の動きは、

地方の人口減少対策を考えるうえでも、興味深い事例になっています。

便利すぎる時代の消費者心理

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

 

スマートフォンのカメラ性能は、ここ数年で大きく進化しました。

暗い場所でも明るく撮れる。
逆光でも顔がきれいに写る。
手ブレも自動で補正してくれる。

以前なら撮影技術が必要だったことも、

今ではスマートフォンが自動的に処理してくれます。

ところが今、こうした「きれいに撮れる」こととは

少し違う価値を持つカメラが、若い世代を中心に人気を集めています。

その代表格の一つが、コダックブランドのコンパクトデジタルカメラです。

2025年、コダックのコンデジが年間1位に

2025年のBCN総研のランキングでは、

コンパクトデジタルカメラのシリーズ別実売台数で、

コダックの製品が年間1位となりました。

コダックがこのランキングで年間首位になるのは初めてです。

さらに、トップ10にはコダックの製品が複数ランクインしました。

2025年は、コンパクトデジタルカメラそのものの需要も拡大しました。

BCN総研のデータを紹介した報道によると、

2025年の国内カメラ市場では、

レンズ一体型カメラの販売台数が大きく伸び、

その中でコダック製品が24%を占めました。

スマートフォンで簡単に写真が撮れる時代に、

なぜ今さらコンパクトデジタルカメラなのでしょうか。

 

「きれいすぎる写真」から少し離れたい

コダックのコンパクトデジタルカメラは、

最新のスマートフォンや高性能なミラーレスカメラと比べれば、

決して高性能なカメラではありません。

価格も比較的手頃で、本格的なカメラに比べれば手を出しやすい商品です。

ここが一つのポイントです。

最新のスマートフォンなら、撮影した瞬間に画像処理が行われ、

明るさや色、ノイズなどが自動的に調整されます。

一方、コンパクトデジタルカメラでは、少し暗かったり、

ブレたり、光が白くにじんだりすることがあります。

普通なら「失敗」と考えられるような写真です。

ところが、その不完全さが「味」として受け入れられています。

 

「エモい」は、完璧ではないこと

最近よく使われる「エモい」という言葉。

写真の世界では、少し色あせたような色合いや、ブレ、粒子感、光のにじみなど、

昔の写真を思わせる雰囲気を指して使われることがあります。

実際、コダックのコンデジについても、

家電・カメラ系メディアでは「平成レトロ」や「エモい写真」が

人気の理由として紹介されています。

興味深いのは、ここで評価されているのが、

必ずしも「高画質」ではないことです。

むしろ、

・少しブレている
・暗いところではノイズが出る
・光がにじむ
・思った通りに撮れない

といった部分が、写真の個性として楽しめる。

「画質が良いこと」よりも、

「そのときにしか撮れないこと」

に価値を感じる人が増えているとも考えられます。

 

スマホではなく、カメラで撮ること自体が楽しい

もう一つ面白いのが、「写真」だけではなく「撮影する行為」

そのものが楽しみになっていることです。

スマートフォンなら、画面をタップすれば撮影できます。

一方、カメラを持ち歩き、取り出して、シャッターボタンを押す。

この少し面倒な動作が、逆に新鮮に感じられる人もいます。

実際、家電量販店のカメラ担当者への取材でも、

コダックのコンデジについて、「エモい」写真だけでなく、

軽さや操作の簡単さ、スマートフォンとは違う撮影感覚が

支持されていると紹介されています。

つまり、単純に「画質の悪いカメラが売れている」という話ではありません。

スマートフォンにはない体験そのものが、商品の価値になっている。

ここが重要なのではないでしょうか。

 

実は「偶然」だけではなかったコダックのコンデジ人気

コダックのコンパクトデジタルカメラが日本で広がった背景には、

もう一つ重要な事情があります。

それは、低価格のコンパクトデジタルカメラ市場に「空白」が生まれていたことです。

スマートフォンのカメラ性能が向上すると、

キヤノンやソニーなどの国内メーカーは、

コンパクトデジタルカメラよりも高性能なミラーレスカメラなどに

力を入れるようになりました。

その結果、2万円~3万円程度で購入できる手頃なコンデジの選択肢が

少なくなっていきました。

そこに目をつけたのが、

コダックブランドのデジタルカメラを手がける米JKイメージングです。

JKイメージングはコダックとのライセンス契約に基づき、

KODAKブランドのデジタルカメラを製造・販売しています。

日本市場では、こうした低価格帯の商品を展開することで、

大手メーカーが縮小していった市場の空白を埋めていきました。

つまり、最初から「若者向けのエモいカメラ」を作ったというより、

手頃な価格で買えるコンデジという、残された市場を狙ったことが出発点だった

と考えられます。

そして、そこに後から「平成レトロ」や「エモい写真」を求める

若い世代の需要が重なりました。

ここが今回の現象の面白いところです。

企業が用意した商品と、消費者が見つけた新しい価値が、

後から結びついたという感じです。

「低価格」が、若者にとって別の価値になった

ここまでを見ると、コダックのコンデジが人気になった理由は、

単純に「昔のカメラだから」ということではなさそうです。

もともとは、2万円~3万円程度で購入できる

手頃なコンデジという市場に向けて販売されていた商品。

そこに、

「スマートフォンとは違う写真を撮りたい」
「少しレトロな写真を残したい」
「カメラを持って出かけたい」

という若い世代の需要が重なりました。

これは、現在の商品やサービスを考えるうえでも興味深い現象です。

 

「高性能」だけが価値ではない

これまでのデジタル製品は、基本的に「より高性能に」

という方向で進化してきました。

カメラなら、

より高画質に。
より速くピントが合うように。
暗い場所でもきれいに。
手ブレを少なく。

こうした進化は、もちろん消費者にとって大きなメリットです。

一方で、性能が向上したことで、写真を撮る人自身が工夫する場面は

少なくなりました。

スマートフォンを向ければ、明るさや色、ピントなどを自動的に

調整してくれる。

「失敗しない」という意味では、とても便利です。

だからこそ、その反対にある「少し失敗するかもしれない」

という感覚が、新鮮に感じられるのかもしれません。

完璧な写真ではなく、そのときにしか撮れない写真。

きれいに仕上げられた写真ではなく、偶然できた色や光。

そこに「思い出らしさ」を感じる人がいるということです。

 

「不便だから売れる」という単純な話ではない

ただし、ここで「不便なものが売れる時代になった」と考えてしまうと、

少し違うように思います。

消費者が求めているのは、不便そのものではなく、

「自分で撮っている感覚」や「偶然性」、「他の人とは少し違う写真」といった、

スマートフォンでは得にくい体験ではないでしょうか。

便利さを否定しているわけではなく、

便利なものが十分に普及したからこそ、便利さ以外の価値にも目が向くようになった。

そう考えると、このコンデジ人気も理解しやすくなります。

 

ビジネスヒントがある?

今回のコダックのコンデジ人気は、

企業の商品やサービスを考えるうえでも興味深い事例です。

「もっと高性能にする」
「もっと安くする」
「もっと便利にする」

という競争を続けるだけでは、資本力のある企業との

競争になってくると思います。

一方で、自社の商品を別の角度から見てみると、

これまで気づかなかった価値が見つかることがあります。

例えば、

「昔ながらの方法だからこそ安心できる」

「少し手間がかかるからこそ、人とのつながりが生まれる」

「大量生産ではできないからこそ、一つ一つ丁寧に対応できる」

といったものです。

商品そのものを大きく変えなくても、消費者の価値観が変われば、

商品の見え方も変わる。

今回のコンデジ人気は、そんなことを考えさせてくれる現象です。

「もっと便利に、もっと高性能に」。

それだけではなく、

「今ある商品の、別の価値は何だろうか」

と考えてみる。

新しい商品やサービスを生み出すことだけが、

ビジネスの成長ではないのかもしれません。

 

「朝ごはんは家で食べる」が変わる?コンビニが狙う5,000億円の朝食市場

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

 

朝のコンビニに、ちょっとした変化が起きています。

ファミリーマートが9月15日から始めたのが

「朝ファミマのコンビ割」です。

午前5時から11時までの時間帯に、対象のおむすびまたはパンと、

対象のお茶・紅茶またはコーヒーを組み合わせると、

2品が一律250円(税込)になります。

対象はおむすび・パン13種類と飲料9種類。

組み合わせは117通りあります。

期間を区切ったキャンペーンではなく、

利用状況を見ながら継続する予定とされています。

例えば「おむすび+お茶」「パン+コーヒー」といった、

いかにも朝食らしい組み合わせを250円で購入できるわけです。

ローソンでも9月8日から21日まで、

午前5時~10時59分の時間帯に、

対象のベーカリーと「マチカフェ」のドリンクを

一緒に購入すると30円引きになるキャンペーンを実施していました。

こうした動きの背景にあるのが、拡大を続ける「朝食市場」です。

 

5,000億円を超えた外食の朝食市場

サカーナ・ジャパンの調査によると、

2024年10月~2025年9月の外食業態における朝食市場規模は5,347億円。

前年比3.2%増となっただけでなく、2019年同期比では24.5%増加し、

2014年の調査開始以来、過去最高の規模となりました。

朝食というと、以前は「家で食べるもの」というイメージが

強かったかもしれません。

しかし現在では、マクドナルドの「朝マック」や

モスバーガーの「朝モス」、ファミリーレストランなど、

朝食を提供する外食店が身近にあります。

モスバーガーも2026年3月、「朝モス」をリニューアルし、

朝食メニューを強化しました。

背景として、ワークスタイルの多様化などによる

朝食需要の広がりを挙げています。

つまり、「朝に何を食べるか」という市場そのものが

大きくなっているのです。

なぜ朝食を外で食べる人が増えているのか

もちろん、

「家で朝食を食べる人がいなくなった」

という単純な話ではありません。

ただ、生活スタイルが変わるなかで、

朝食の選択肢が増えていることは確かです。

大きいのは、共働き世帯や単身世帯の増加などによって、

朝の時間の使い方が変わっていることでしょう。

朝食を作るとなれば、

「何を作るか考える」
↓
「食材を準備する」
↓
「調理する」
↓
「食べる」
↓
「片付ける」

という時間が必要になります。

一方、コンビニなら出勤や通学の途中で購入できます。

外食なら、店に入って注文すれば食事ができます。

「朝食そのものを省略する」のではなく、

「朝食にかける手間を減らす」という選択肢が広がっている

とも考えられます。

ここには、最近よく聞く「タイパ(タイムパフォーマンス)」

という考え方も関係していそうです。

 

「安さ」だけではなく「分かりやすさ」も重要

今回のファミリーマートの取り組みで面白いのは、

単純な値引きではなく、「朝食のセット」を分かりやすく作っていることです。

おむすびとお茶。

パンとコーヒー。

朝に買いそうな組み合わせを「250円」と明確にすることで、

消費者にとって選びやすくなります。

物価高が続くなかでは、価格を意識して買い物をする人も増えています。

ファミリーマート自身も今回の施策について、

物価高によって生活防衛意識が高まっていることを背景として挙げています。

「何となくコンビニに寄る」のではなく、

「朝食を250円で買えるから、今日はファミマに寄ろう」

という行動につながれば、店舗側にとっては

新しい来店習慣をつくるきっかけになります。

 

「家族そろって朝ごはん」は当たり前ではなくなった?

少し前まで、「朝ごはんは家族そろって食べる」というイメージがありました。

もちろん今でもそうした家庭はあります。

ただ、共働き、単身世帯の増加、働き方の変化などによって、

家族全員が同じ時間に朝食を取ること自体が難しくなっています。

子どもは学校へ。

夫婦はそれぞれ仕事へ。

一人暮らしなら、自分の予定に合わせて朝食を取る。

そう考えると、「朝食をどこで食べるか」という問題は、

単なる食品市場の話ではありません。

私たちの生活時間や家族の形が変わってきた結果として、

朝食の取り方も変わってきた、と見ることができます。

そして、そこに企業が新しい商機を見つけています。

 

コンビニにとって「朝」は新しい競争の舞台

これまでコンビニというと、昼食や夕食、

ちょっとした買い物というイメージが強かったかもしれません。

しかし、朝食市場が5,000億円を超える規模まで成長していることを考えると、

「朝」という時間帯も大きな市場です。

ファミリーマートは250円のセット。

ローソンは朝限定のパン+マチカフェの値引き。

外食チェーンも朝食メニューを強化する。

こうして見ると、朝の限られた時間をめぐって、

コンビニと外食の競争が少しずつ強くなっていることが分かります。

そして、この競争で重要なのは、単に「安い商品を売る」

ことだけではないのかもしれません。

忙しい朝に、

「早く買える」
「選びやすい」
「価格が分かりやすい」
「いつもの場所で買える」

という便利さそのものが価値になります。

「朝ごはんは家で食べる」。

そんな昔からの習慣が、少しずつ形を変えています。

今回のコンビニ各社の動きは、朝食市場をめぐる競争であると同時に、

私たちの生活時間の変化を映し出しているのかもしれません。

人手不足時代に考えたい「仕事のしわ寄せ」の問題

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

前回は、人手不足への対応として

「短時間で働く人を戦力として考える」

という企業の採用の変化について取り上げました。

これまで企業では、フルタイムで長時間働ける人を中心に

採用することが一般的でした。

しかし、人手不足が深刻になるなか、

週3〜4日勤務や1日6時間程度の「短時間正社員」など、

働く時間に制約がある人も戦力として考える動きが出ています。

一方で、働き方を柔軟にする企業が増えるほど、

もう一つ考えておきたい問題があります。

それは、「短くなった仕事の時間を、誰が補うのか」という問題です。

 

 

時短勤務の広がりで、別の社員に負担が集中することも

育児や介護などを理由に、残業を減らしたり、

短時間勤務を利用したりする社員は珍しくなくなりました。

こうした制度は、働き続けるための大切な仕組みです。

ただ、現場では「制度を利用する人が帰った後の仕事を誰がするのか」

という問題も起こります。

例えば、担当者が早く退勤することで、

その日の仕事を別の社員が引き継ぐ。

急な休みがあれば、別の社員が対応する。

出張や転勤が難しい社員が増えれば、

別の社員にその機会や負担が集中する。

こうしたことが積み重なると、

制度を利用していない社員に残業や業務が偏ってしまうことがあります。

最近は、こうした問題を「独身だから」「子育て中だから」

という個人の属性の問題として捉えるのではなく、

職場の仕事の分担方法そのものの問題

として考える必要性も指摘されています。

 

「お互い様」だけでは続かない

これまでは、職場で誰かが休んだときには、

周囲がカバーするという「お互い様」の考え方が

大きな役割を果たしてきました。

もちろん、助け合うことは大切です。

しかし、人手不足が続くなかでは、

一人が抜けるたびに別の誰かが残業して補う

という方法にも限界があります。

しかも、負担を引き受ける側にも、

それぞれの生活があります。

独身の社員であっても、

家族の介護をしているかもしれません。

自分の健康管理や通院、資格取得などに

時間を使いたい人もいます。

子育てをしているかどうかにかかわらず、

誰もが自分の生活と仕事のバランスを考える時代になっています。

つまり、「この人なら時間に余裕があるだろう」

と考えて仕事を寄せていく方法そのものが、

だんだん難しくなっているのではないでしょうか。

 

必要なのは「人を増やす」だけではなく「仕事を分ける」こと

ここで、前回の記事で取り上げた

「短時間で働く人を戦力として考える」

という考え方につながってきます。

短時間勤務の人を採用する場合、

単純にフルタイム社員の仕事を短い時間で

やってもらうだけでは、

うまくいかないことがあります。

大切なのは、仕事を細かく分けることです。

例えば、

*営業の一部を短時間勤務者が担当する

*書類作成やデータ入力を切り分ける

*SNSやホームページの更新を専門的に任せる

*顧客対応の一部を担当してもらう

*経験のある人に週数日の専門業務を任せる

といった形です。

仕事を細かく分けることができれば、

「フルタイムで働ける人を一人採用する」

という選択肢だけではなくなります。

そしてこれは、既存社員の負担を減らすことにもつながります。

 

人手不足は「採用」の問題だけではない

人手不足というと、「どうすれば人を採用できるか」

という話になりがちです。

しかし、これからはそれだけではなく、

「今ある仕事を、どのように分ければ、より多くの人が働けるのか」

という視点も重要になってくると思います。

短時間勤務を希望する人を採用する。

育児や介護をしながら働けるようにする。

そして、それによって別の社員に負担が集中しないようにする。

この3つは別々の問題ではなく、つながっています。

仕事を細かく分け、情報共有や業務の見える化を進めれば、

これまで一人の社員に集中していた仕事を複数の人で分担できる可能性もあります。

特に人材を集めることが難しい中小企業にとっては、

「長時間働ける人を探す」という採用だけでなく、

「限られた時間でも力を発揮できる仕事をつくる」

という考え方が、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。

 

「誰かが我慢する働き方」からの転換

働き方の柔軟化は、子育て中の社員だけのためのものではありません。

介護をする人、健康上の理由で長時間勤務が難しい人、

副業や学びの時間を確保したい人など、

さまざまな事情を持つ人が働き続けるための選択肢になります。

だからこそ、制度を利用する人と、

それを支える人を分けて考えるのではなく、

誰かの事情を別の誰かが無理をして

埋め合わせなくても済む仕事の仕組み

をつくることが重要になってきます。

前回の記事では、「時短で働く人も重要な戦力になり得る」

という採用側の変化を取り上げました。

その一方で、その働き方を本当に定着させるためには、

残った仕事を誰かに押しつけるのではなく、

仕事そのものを見直していく必要があります。

人手不足が続くこれからの企業にとって、

求められるのは「どれだけ長く働ける人を集められるか」

だけではありません。

「限られた時間で働く人を、どう組織の戦力として組み込むか」

そして、

「その結果、別の誰かに仕事が偏らない仕組みをどうつくるか」

この二つをセットで考えることが、

これからの働き方には必要になっていくのかもしれません。

人手不足で変わる採用 「時短で働く人」を戦力として考える企業が増えて いる

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

「求人を出しても応募が来ない」

「採用しても、なかなか人が定着しない」

人手不足が続く中、こうした悩みを抱える企業は少なくありません。

これまで企業の採用では、

「週5日、1日8時間働けること」

が一つの基準になってきました。

しかし、働く人の事情や価値観が変化する中で、

少しずつその考え方も変わりつつあります。

その一つが、短い時間で働く人を、

補助的な人材ではなく戦力として捉える考え方です。

 

「時短勤務」は、これまでとは違う意味を持ち始めている

時短勤務というと、これまでは

育児や介護などの事情を抱える社員への配慮

というイメージが強かったかもしれません。

もちろん、こうした働き方は

仕事と家庭を両立するために重要です。

一方で、最近は人手不足を背景に、企業側から

「働く時間が短くても、能力や経験を生かしてもらう」

という考え方が広がっています。

例えば、専門的な経験を持っているものの、

家庭の事情などからフルタイム勤務が難しい人がいます。

企業が「フルタイムで働ける人」という条件だけで採用を考えると、

こうした人材は最初から候補から外れてしまいます。

逆に考えれば、勤務時間について柔軟に考えることで、

これまで採用市場で出会えなかった人材と接点を持てる可能性があります。

 

高知県では「短時間正職員」に多くの応募

そのことを考える上で興味深いのが、高知県の取り組みです。

高知県では、

正規職員でありながら勤務時間を短くできる

「短時間正職員」

の採用枠が設けられました。

行政職5人の募集に対して約100人が応募し、

20倍程度の倍率になったとされています。

短時間で働きたい人の中にも、

これまでの仕事で培った経験や専門性を持つ人がいます。

つまり、「フルタイムでは働けない」ということと、

「仕事の能力が低い」ということは、

当然ながら同じではありません。

人手不足が深刻になるほど、

企業側がこうした人材に目を向ける意味は大きくなってきます。

 

時短勤務を導入すれば、それだけで人手不足が解決するわけではない

ただし、ここで注意したいのは、

勤務時間を短くするだけでは、時短勤務者を十分な戦力にできない

ということです。

例えば、これまで一人の社員が朝から夕方まで担当していた仕事を

そのまま6時間勤務の人に任せれば、

単純に「仕事が終わらない」という問題が起こるかもしれません。

重要になるのは、仕事そのものを見直すことだと思います。

「この仕事は毎日やる必要があるのか」

「この業務は誰でもできるようにできないか」

「パソコンやシステムを使って効率化できないか」

「一人に集中している仕事を分けられないか」

こうした見直しを行い、

短い時間でも成果を出せる仕事の形をつくる必要があります。

 

時短勤務が「業務の見える化」につながることも

時短勤務者を受け入れることで、

これまで当たり前だった仕事の進め方を

見直すきっかけになることもあります。

例えば、担当者が休むと誰も仕事の内容が分からない「属人化」。

あるいは、口頭での指示が中心で、

担当者がいなければ仕事が止まってしまう状態です。

勤務時間が限られた社員が働くためには、

*業務内容を整理する

*情報を共有する

*マニュアルを作る

*誰がどこまで担当するか決める

*ITやデジタルツールを活用する

といった工夫が必要になります。

こうした取り組みは、時短勤務者だけでなく、

フルタイムで働く社員にとっても仕事をしやすくする可能性があります。

 

「長く働ける人」だけを探す採用からの変化

これからの採用では、「何時間働けるか」だけではなく、

「限られた時間で何ができるか」という視点も

重要になっていくのではないでしょうか。

例えば、週5日のフルタイム勤務は難しくても、

「週4日なら働ける」

「1日6時間なら働ける」

「午前中だけなら働ける」

という人はいます。

そして、その中にはこれまでの仕事で身につけた

経験や資格、専門知識を持つ人もいます。

人手不足が続く中では、企業が求める条件に

完全に合う人を探し続けるだけでなく、

働く時間に制約がある人でも

能力を発揮できる仕事の作り方を考える

ことも、一つの選択肢になってきそうです。

 

中小企業にとっても、採用の考え方を見直すきっかけに

大企業と比べて採用競争で不利になりやすい中小企業にとっても、

こうした働き方は一つの選択肢になります。

給与や知名度だけで大企業と競争するのではなく、

「働く時間を選びやすい」

「経験を生かせる」

「家庭と両立しながら専門性を発揮できる」

といった働き方そのものを採用上の魅力にできる可能性があります。

ただ、そのためには求人票を変えるだけでは十分ではありません。

どの仕事なら短時間でも任せられるのか。

誰と仕事を分担するのか。

情報共有をどうするのか。

評価や給与をどう考えるのか。

こうした社内の仕組みまで含めて考えることが必要になると思われます。

人手不足への対応というと、

「どうすればもっと人を採用できるか」

という発想になりがちです。

しかしこれからは、

「今ある仕事を、どのように分ければ、

より多くの人が働けるようになるか」

という視点も重要になってくるのかもしれません。

「フルタイムで働ける人」を探すだけではなく、

「短い時間でも経験や能力を生かせる人」に目を向ける。

それは、人手不足への対応だけでなく、

企業の仕事の進め方そのものを見直すきっかけにもなりそうです。

変わるライフスタイルは相続にも影響する?

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

結婚についての考え方が、

少しずつ変わってきています。

国立社会保障・人口問題研究所が

2026年9月に公表した「第17回出生動向基本調査」では、

18〜34歳の未婚者のうち、「いずれ結婚するつもり」

と答えた人の割合が、男性75.1%、女性77.8%となりました。

前回調査では男性81.4%、女性84.3%でしたから、

男女とも大きく低下しています。

一方、「一生結婚するつもりはない」と答えた人は、

男性24.0%、女性21.5%。

2015年の調査では男性12.0%、女性8.0%だったことを考えると

この10年ほどで大きく増えていることが分かります。

もちろん、これだけで「若い世代の多くが結婚を望んでいない」

と考えるのは少し違います。

4人に3人程度は「いずれ結婚するつもり」と答えており、

結婚を希望する人が多数派であることに変わりはありません。

ただ、「結婚して、子どもを持ち、家族で暮らす」という生き方だけが

標準ではなくなってきていることは、今回の調査からも感じられます。

 

結婚だけでなく「家族の形」も変わっていく

こうした変化は、結婚そのものだけの問題ではありません。

結婚する人が減れば、当然ながら将来の家族構成にも影響してきます。

結婚していても子どもを持たない人もいますし、

結婚せずに一人で暮らす人もいます。

また、親族との距離が遠くなったり、兄弟姉妹が少なかったりするなど、

昔と比べて「家族に頼る」ということが簡単ではないケースも

増えていくかもしれません。

そう考えると、今回の調査は「結婚する人が減っている」

という話だけではなく、

これからの家族のあり方そのものが変わっていく可能性を

示しているようにも思います。

そして、この変化は、将来の相続や終活にも関係してくるのではないでしょうか。

 

「家族が引き継ぐ」が当たり前ではなくなる?

これまでの相続を考えるとき、夫や妻、子どもなど、

家族が財産を引き継ぐという形が基本的なイメージでした。

しかし、家族の形が多様になれば、

「誰に財産を残すのか」という問題も人によって大きく違ってきます。

例えば、結婚していない場合でも、

法律上の相続人がいないとは限りません。

親や兄弟姉妹などが相続人になる場合もあります。

一方で、相続人がいても、

普段ほとんど付き合いがないということも考えられます。

さらに重要なのは、相続そのものだけではありません。

年齢を重ねて自分で手続きをすることが難しくなったときに、

誰に財産の管理を任せるのか。

亡くなった後のさまざまな手続きを誰に託すのか。

自分の財産をどのように整理し、

誰にどのような形で残したいのか。

家族の形が変われば、こうした問題についても、

一人ひとりが考えておく必要性が高まっていく可能性があります。

 

相続は「亡くなってから」だけの問題ではない

相続というと、亡くなった後に財産をどう分けるか

というイメージが強いかもしれません。

しかし、実際にはその前から考えておくことがあります。

財産を整理する。

誰に何を残したいのかを考える。

必要であれば遺言を準備する。

自分で判断することが難しくなった場合に備えて、

財産管理や手続きをどうするか考えておく。

こうした準備は、家族がいる人にとっても大切ですが、

家族に頼ることが難しい人にとっては、

より重要になる場合があります。

そして、こうした「事前に準備しておく」という考え方は、

これからさらに広がっていくのかもしれません。

 

ライフスタイルの変化が「相続の形」も変えていく

今回の調査だけを見て、「結婚する人が減ったから相続ビジネスが伸びる」と

単純に考えることはできません。

ただ、結婚や子どもを持つことに対する考え方が変わり、

家族の形が多様になっていけば、

これまでの「家族が何とかしてくれる」という前提だけでは

対応しにくい場面も増えていくでしょう。

そうなると、相続や終活も、亡くなった後の手続きだけではなく、

元気なうちに自分の希望や財産を整理しておくことに、

より大きな意味が出てきます。

結婚するか、しないか。

子どもを持つか、持たないか。

どのような家族の形を選ぶか。

それぞれの生き方が多様になっていくからこそ、

「自分の場合は、将来どうするのか」を

自分で考えておくことが大切になる。

今回の調査は、

そんな時代の変化を考えるきっかけにもなりそうです。

 

 

当事務所では将来へ向けての対策のお手伝いもさせていただいております。

お気軽にお問い合わせください。

日本版ライドシェアはなぜ広がりにくい? タクシー補完制度の限界と これから

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

先日、スマートフォンからタクシーを呼べる

「タクシー配車アプリ」とドライバーについて取り上げました。

今回は、地域の移動手段として注目されている「ライドシェア」

とタクシーアプリの関わりについて考えてみます。

最近、「ライドシェア」という言葉を

ニュースで耳にする機会が増えました。

タクシー不足を解消する新しい移動手段として期待され、

日本でも2024年から「日本版ライドシェア」が始まっています。

タクシー配車アプリ、ライドシェアなど

よく耳にするものの、意味がよくわからないことって

結構ありませんか?

「GOなどのタクシーアプリとライドシェア、何が違うの?」

と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

「配車アプリ」と「ライドシェア」は別のもの

まず、ここを整理しておきたいと思います。

「GO」のようなタクシーアプリは、

スマートフォンからタクシーなどを呼ぶための配車サービスです。

一方、日本版ライドシェアは、タクシーが不足している時間帯などに、

一般ドライバーと自家用車を活用して輸送力を補う制度です。

つまり、

配車アプリ=車を呼ぶ仕組み

日本版ライドシェア=車を運転する人や車両を増やす仕組み

と考えると分かりやすいでしょう。

しかも現在は、GOのアプリから

日本版ライドシェアの車両が配車されることがあります。

利用者から見ると、スマートフォンで

GOを開いて車を呼ぶだけなので、

普通のタクシーなのか、ライドシェアなのか分かりにくいこともあります。

GO自身も、日本版ライドシェアの運行開始に合わせ、

タクシーがつかまりにくい曜日や時間帯にライドシェア車両を

配車する対応を始めています。

 

では、日本版ライドシェアとは何なのか

日本版ライドシェアは、正式には

「自家用車活用事業」と呼ばれています。

目的は、タクシーが不足する地域や時間帯に、

一般のドライバーと自家用車を活用して

不足する輸送力を補うことです。

ここで重要なのが、海外のライドシェアとは

仕組みが異なることです。

日本版ライドシェアでは、

タクシー事業者が実施主体となり、

一般ドライバーの管理や運行管理を担います。

一般ドライバーは所定の研修などを受け、

自家用車を使って乗客を運びます。

運賃もタクシーと同水準とされています。

つまり、

「誰でも自由に乗客を乗せて営業できる」

という制度ではありません。

あくまで、タクシー会社を中心とした仕組みの中で、

一般ドライバーの力を借りてタクシー不足を補う制度なのです。

 

海外のUber型とは何が違うのか

海外では、Uberなどのプラットフォームを通じて、

一般ドライバーが乗客を運ぶ仕組みが広く普及しています。

これに対して日本では、

安全性や既存のタクシー事業への影響などを考慮し、

タクシー事業者の管理下でライドシェアを運行する形からスタートしました。

そのため、日本版ライドシェアは、

「タクシーに代わる新しい交通事業」

というより、

「タクシーを補完する仕組み」

という位置付けになっています。

この違いが、日本版ライドシェアの普及を考えるうえで非常に重要です。

 

タクシー不足を解消するはずが、なぜ広がりにくいのか

日本版ライドシェアが始まった背景には、

深刻なタクシー不足がありました。

特に、夜間や観光シーズン、イベント開催時などには、

タクシーがつかまりにくい問題がありました。

そこで、タクシーが足りない時間帯だけ一般ドライバーを活用する。

考え方としては非常に合理的です。

実際、国土交通省によると、日本版ライドシェアは制度開始後、

雨天時や酷暑時、イベント開催時、観光シーズンなどにも

活用範囲が広げられてきました。

しかし、ここで事業者側の問題が出てきます。

「コストに対する売り上げが見合わない」

日本版ライドシェアに積極的に取り組んできた事業者からは、

採算面を問題視する声も出ています。

タクシー事業者にとっては、一般ドライバーを集めれば

終わりではありません。

ドライバーの採用、教育、運行管理、車両の管理などが

必要になります。

一方で、日本版ライドシェアは

「タクシーが不足している時間帯」に対応する制度です。

つまり、いつでも自由に車を走らせて

売り上げを増やせるわけではありません。

そのため、事業者にとっては、

「タクシー不足を補う必要はある」

「しかし、管理や運営にはコストがかかる」

という難しい問題が生じます。

 

「配車アプリが普及すればライドシェアはいらない」のか

ここも誤解しやすいところです。

GOのような配車アプリが普及すれば、

タクシーを効率的に呼べるようになります。

しかし、アプリはあくまで「車を探して呼ぶ仕組み」です。

そもそも周辺にタクシーがいなければ、

アプリがあっても車は来ません。

そこで、ライドシェアの役割が出てきます。

例えば、

「アプリでタクシーを呼びたいけれど、車が足りない」

という状況で、

「それなら一般ドライバーの車両も活用して供給を増やそう」

というのが日本版ライドシェアです。

つまり、

配車アプリ=需要と車をつなぐ

ライドシェア=不足している車を増やす

という関係になります。

 

大都市と地方では事情も違う

もう一つ注目したいのが、地域による違いです。

大都市では、タクシーの供給が以前より回復してきた地域もあります。

一方、地方では人口減少やドライバー不足によって、

タクシーそのものを維持することが難しくなっている地域もあります。

そう考えると、日本版ライドシェアは全国一律に考えるより、

「どこで、いつ、どれだけ移動手段が不足しているのか」

を見ながら活用する必要があります。

国土交通省も、配車アプリのデータなどを利用して

タクシーの不足する地域・時期・時間帯を把握し、

不足分を供給する仕組みを採用しています。

 

日本版ライドシェアは今後どうなるのか

日本版ライドシェアは、

決して「始まったけれど全く使われていない制度」ではありません。

国土交通省の資料では、

2025年8月時点で許可された導入地域は141地域、

登録ドライバーは9,518人、運行回数は約96万回に達しています。

一方で、事業者からは採算性の問題も指摘されています。

今後の焦点は、単純に「全面解禁するかどうか」だけではないでしょう。

安全性を確保しながら、どこまで一般ドライバーを活用できるのか。

タクシー会社に過度な負担をかけず、事業として成立させることができるのか。

そして、人口減少が進む地方で、どうやって「移動の足」を維持するのか。

こうした問題を一つずつ考えていく必要があります。

タクシーアプリの普及とライドシェアの導入は、

別々の話に見えて、実は同じ問題につながっています。

それは、

「必要なときに、必要な場所へ、どうやって人を運ぶのか」

という問題です。

タクシー不足をきっかけに始まった日本版ライドシェアですが、

今後は地域交通の維持や観光客の移動手段など、

より幅広い分野でその役割が問われていくことになりそうです。

アニメだけではない 日本の実写コンテンツが海外を目指す理由

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

日本のコンテンツといえば、

海外ではアニメやゲームを思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし最近は、ドラマや映画などの「実写コンテンツ」についても、

海外市場を意識した動きが強くなっています。

背景にあるのは、動画配信サービスの普及だけではありません。

日本政府もコンテンツ産業を成長分野の一つと位置づけ、

海外展開を後押ししています。

今回は、なぜ今、日本の実写コンテンツが海外を目指しているのか。

そして、それが地域や中小企業にとって

どのような意味を持つのかを考えてみます。

日本のコンテンツ海外売上は5.8兆円に

まず、日本のコンテンツ産業全体を見ると、

海外市場はすでにかなり大きくなっています。

経済産業省によると、日本発コンテンツの海外売上は

2023年に約5.8兆円となりました。

2022年の約4.7兆円から、1年間で23.2%増えています。

政府は、この海外売上を2033年までに20兆円へ

拡大する目標を掲げています。

もちろん、この中で大きな割合を占めているのは

アニメやゲームなどです。

そのため、

「日本の実写ドラマがすでに海外で大きく稼いでいる」

と考えるのは少し早いでしょう。

むしろ今は、

アニメやゲームで広がった日本のコンテンツ産業を、

映画やドラマなどにも広げていこうとしている段階と

見る方が実態に近そうです。

 

なぜ実写コンテンツなのか

実写の強みは、実際の日本の風景や街、人、食、文化などを

そのまま映像にできることです。

例えば、ドラマや映画を見て、

「この場所に行ってみたい」

「この店で食べてみたい」

「この地域を見てみたい」

と思う人が出てくれば、作品そのものだけでなく、

観光や地域のビジネスにもつながります。

政府の「新たなクールジャパン戦略」でも、

近年はアニメだけでなく、実写の映画やドラマも

海外でヒットしていることが取り上げられています。

また、コンテンツをきっかけに日本のファンを増やし、

観光や食など別の分野にもつなげていく考え方が示されています。

これは、大企業だけの話ではありません。

 

地方の中小企業にもチャンスがある?

例えば、地方で旅館を経営している会社を考えてみます。

これまでは、

「旅行サイトに掲載する」

「SNSで情報を発信する」

「観光客に来てもらう」

といった方法で集客するのが一般的でした。

そこに映画やドラマなどの映像作品が加わると、

地域そのものが情報発信の舞台になる可能性があります。

旅館だけではありません。

飲食店、土産物店、交通事業者、観光施設、製造業など、

地域にあるさまざまな事業者が影響を受ける可能性があります。

作品そのものを作るのは大きな企業でも、

その周辺には多くの中小企業が存在します。

コンテンツをきっかけに、人が動き、お金が地域に落ちる

と考えると、実写コンテンツの海外展開は、

単なる「映画やドラマの輸出」とは少し違って見えてきます。

 

動画配信で「海外に届ける」環境も変わった

もう一つ大きいのが、動画配信サービスの普及です。

以前は、日本のドラマが海外で見られるためには、

海外のテレビ局などに販売する必要がありました。

現在は動画配信サービスを通じて、

国境を越えて作品を届けやすくなっています。

もちろん、配信できれば必ず海外でヒットするわけではありません。

翻訳、宣伝、現地の文化への対応など、まだ課題はあります。

それでも、以前に比べれば、日本で作った作品を

海外の視聴者に届けるための環境は大きく変わったといえます。

経済産業省も、コンテンツ産業の海外展開に向けて、

海外での発信機会、制作拠点、人材、海外企業との連携など、

さまざまな課題への対応を進めています。

 

政府も「日本で作って世界へ」を後押し

政府の支援も強まっています。

経済産業省は、2033年までに

日本発コンテンツの海外売上を20兆円にする目標に向けて、

複数年にわたる支援や海外展開の促進を進めています。

2026年の支援事業では、実写映画の制作なども採択されています。

つまり、

「国内で作品を作って、まず日本で売る」

だけではなく、

「最初から海外市場も意識して作る」

という考え方が、政策面でも強くなっています。

 

地域の事業者にとっても無関係ではない

こうした話は、一見すると映画会社や動画配信会社の話に見えます。

しかし、地域の中小企業にとっても、全く関係のない話ではありません。

地域の観光、飲食、宿泊、交通、土産品、伝統産業などは、

日本を訪れる人が増えれば需要が生まれます。

また、海外から直接商品を買ってもらうECなど、

地域にいながら海外の消費者とつながる方法も増えています。

すべての企業が海外進出する必要はありません。

むしろ、海外から日本を訪れる人が増えることで、

国内にいながら海外市場の恩恵を受ける企業も出てくる

と考えた方が分かりやすいでしょう。

 

これからどうなるのか

日本のコンテンツ産業は、すでに大きな海外市場を持っています。

ただし、その中心はまだアニメやゲームなどです。

政府が目指す2033年20兆円という目標も、

簡単に達成できるものではありません。

経済産業省自身も、海外展開の機会、人材、制作環境、海外との連携など、

複数の課題を挙げています。

その中で、今後注目されるのが実写の映画やドラマです。

日本の風景、食、文化、街並みなどを

映像を通して海外に届けることで、作品だけでなく、

その周辺にある観光や商品、地域ビジネスにも波及する可能性があります。

「アニメが海外で人気だから、次は実写も」という単純な話ではありません。

日本のコンテンツを海外に届け、そこから人やお金を日本に呼び込む。

そうした流れが今後どこまで広がるのか。

映画やドラマを見るときも、作品そのものだけでなく、

「この作品が地域や企業にどんな影響を与えるのか」

という視点で見ると、

少し違った面白さが見えてくるかもしれません。