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日別アーカイブ: 2026年9月14日

アニメだけではない 日本の実写コンテンツが海外を目指す理由

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

日本のコンテンツといえば、

海外ではアニメやゲームを思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし最近は、ドラマや映画などの「実写コンテンツ」についても、

海外市場を意識した動きが強くなっています。

背景にあるのは、動画配信サービスの普及だけではありません。

日本政府もコンテンツ産業を成長分野の一つと位置づけ、

海外展開を後押ししています。

今回は、なぜ今、日本の実写コンテンツが海外を目指しているのか。

そして、それが地域や中小企業にとって

どのような意味を持つのかを考えてみます。

日本のコンテンツ海外売上は5.8兆円に

まず、日本のコンテンツ産業全体を見ると、

海外市場はすでにかなり大きくなっています。

経済産業省によると、日本発コンテンツの海外売上は

2023年に約5.8兆円となりました。

2022年の約4.7兆円から、1年間で23.2%増えています。

政府は、この海外売上を2033年までに20兆円へ

拡大する目標を掲げています。

もちろん、この中で大きな割合を占めているのは

アニメやゲームなどです。

そのため、

「日本の実写ドラマがすでに海外で大きく稼いでいる」

と考えるのは少し早いでしょう。

むしろ今は、

アニメやゲームで広がった日本のコンテンツ産業を、

映画やドラマなどにも広げていこうとしている段階と

見る方が実態に近そうです。

 

なぜ実写コンテンツなのか

実写の強みは、実際の日本の風景や街、人、食、文化などを

そのまま映像にできることです。

例えば、ドラマや映画を見て、

「この場所に行ってみたい」

「この店で食べてみたい」

「この地域を見てみたい」

と思う人が出てくれば、作品そのものだけでなく、

観光や地域のビジネスにもつながります。

政府の「新たなクールジャパン戦略」でも、

近年はアニメだけでなく、実写の映画やドラマも

海外でヒットしていることが取り上げられています。

また、コンテンツをきっかけに日本のファンを増やし、

観光や食など別の分野にもつなげていく考え方が示されています。

これは、大企業だけの話ではありません。

 

地方の中小企業にもチャンスがある?

例えば、地方で旅館を経営している会社を考えてみます。

これまでは、

「旅行サイトに掲載する」

「SNSで情報を発信する」

「観光客に来てもらう」

といった方法で集客するのが一般的でした。

そこに映画やドラマなどの映像作品が加わると、

地域そのものが情報発信の舞台になる可能性があります。

旅館だけではありません。

飲食店、土産物店、交通事業者、観光施設、製造業など、

地域にあるさまざまな事業者が影響を受ける可能性があります。

作品そのものを作るのは大きな企業でも、

その周辺には多くの中小企業が存在します。

コンテンツをきっかけに、人が動き、お金が地域に落ちる

と考えると、実写コンテンツの海外展開は、

単なる「映画やドラマの輸出」とは少し違って見えてきます。

 

動画配信で「海外に届ける」環境も変わった

もう一つ大きいのが、動画配信サービスの普及です。

以前は、日本のドラマが海外で見られるためには、

海外のテレビ局などに販売する必要がありました。

現在は動画配信サービスを通じて、

国境を越えて作品を届けやすくなっています。

もちろん、配信できれば必ず海外でヒットするわけではありません。

翻訳、宣伝、現地の文化への対応など、まだ課題はあります。

それでも、以前に比べれば、日本で作った作品を

海外の視聴者に届けるための環境は大きく変わったといえます。

経済産業省も、コンテンツ産業の海外展開に向けて、

海外での発信機会、制作拠点、人材、海外企業との連携など、

さまざまな課題への対応を進めています。

 

政府も「日本で作って世界へ」を後押し

政府の支援も強まっています。

経済産業省は、2033年までに

日本発コンテンツの海外売上を20兆円にする目標に向けて、

複数年にわたる支援や海外展開の促進を進めています。

2026年の支援事業では、実写映画の制作なども採択されています。

つまり、

「国内で作品を作って、まず日本で売る」

だけではなく、

「最初から海外市場も意識して作る」

という考え方が、政策面でも強くなっています。

 

地域の事業者にとっても無関係ではない

こうした話は、一見すると映画会社や動画配信会社の話に見えます。

しかし、地域の中小企業にとっても、全く関係のない話ではありません。

地域の観光、飲食、宿泊、交通、土産品、伝統産業などは、

日本を訪れる人が増えれば需要が生まれます。

また、海外から直接商品を買ってもらうECなど、

地域にいながら海外の消費者とつながる方法も増えています。

すべての企業が海外進出する必要はありません。

むしろ、海外から日本を訪れる人が増えることで、

国内にいながら海外市場の恩恵を受ける企業も出てくる

と考えた方が分かりやすいでしょう。

 

これからどうなるのか

日本のコンテンツ産業は、すでに大きな海外市場を持っています。

ただし、その中心はまだアニメやゲームなどです。

政府が目指す2033年20兆円という目標も、

簡単に達成できるものではありません。

経済産業省自身も、海外展開の機会、人材、制作環境、海外との連携など、

複数の課題を挙げています。

その中で、今後注目されるのが実写の映画やドラマです。

日本の風景、食、文化、街並みなどを

映像を通して海外に届けることで、作品だけでなく、

その周辺にある観光や商品、地域ビジネスにも波及する可能性があります。

「アニメが海外で人気だから、次は実写も」という単純な話ではありません。

日本のコンテンツを海外に届け、そこから人やお金を日本に呼び込む。

そうした流れが今後どこまで広がるのか。

映画やドラマを見るときも、作品そのものだけでなく、

「この作品が地域や企業にどんな影響を与えるのか」

という視点で見ると、

少し違った面白さが見えてくるかもしれません。