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国の教育方針のもとで「実用文を扱う」とされ、
一部の高校教科書から姿を消すはずだった小説が、いま再び注目されています。
2022年度から、高校の国語は
* 実用的な文章を中心に学ぶ「現代の国語」
* 小説や古文・漢文を学ぶ「言語文化」
この2科目が必修となりました。
文部科学省は導入前の説明会で、「「現代の国語」に小説が入る余地はない」と
強調していたとされ、多くの出版社はその説明を受け、
小説の掲載を見送ったといいます。
ところが実際には、小説をあえて掲載した教科書が検定に合格し、
採択で高いシェアを獲得しました。
編集現場からは「説明と違うのではないか」と戸惑いの声も上がりました。
文科省はその後、「小説の掲載は本来想定していなかったが、
「書く」「話す」の学習で扱うことまで禁じていたわけではない」と説明し、
当初の説明については「考え方が十分に伝わっていなかった」と釈明しています。
そして2025年の教科書検定では状況が変わります。
他の出版社も巻き返しを図り、「現代の国語」に小説を掲載する教科書が
大幅に増えました。
背景には、
実用文だけでは伝わりにくい
「言葉の背景や人の気持ちを想像する力」を
小説を通じて育てたいという、現場の声があります。
実用的な文章を読む力が大切なのは言うまでもありません。
ただ、文字離れが進む今だからこそ、小説を読みながら
登場人物の感情や行間に思いを巡らせ、
「この言葉にはどんな意味があるのだろう」と考える時間も、
これまで以上に貴重になっているのではないでしょうか。
小説が再び教科書に戻ってきた流れは、
そんな原点を見直す動きの表れではないかと感じます。