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訪問介護の人材不足

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

東京商工リサーチによると、

2025年の介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産は

176件(前年比2.3%増)となり、2年連続で過去最多を更新しました。

コロナ禍前の2019年(111件)と比べると、約6割増という

深刻な状況です。

倒産理由で最も多かったのは「人手不足」で29件(前年比45.0%増)。

中でも求人難によるものが15件と、現場の担い手不足が経営を

直撃しています。

特に倒産件数が突出しているのが「訪問介護」です。

2025年は91件(同12.3%増)と、3年連続で最多を更新し、

全体の倒産件数を大きく押し上げました。

この背景には、介護報酬のマイナス改定の影響に加え、

慢性的なヘルパー不足、ガソリン代など運営コストの上昇があります。

政府による人件費支援策も講じられていますが、

現場の負担増を吸収するには十分とは言えず、

資金繰りを圧迫しています。

こうした状況から、2026年も倒産が続く可能性は高いと見られています。

人材不足の打開策として、2025年4月からは、

これまで制限されていた「特定技能」や「技能実習」の外国人材についても

条件付きで訪問介護サービスへの従事が認められました。

しかし、実際には次のような厳しい要件が課されています。

・訪問介護業務に関する事前研修の実施

・一定期間、責任者等が同行するOJTの実施

・業務内容の丁寧な説明とキャリアアップ計画の策定

・ハラスメント防止のための相談窓口の設置

・不測の事態に対応できる体制整備

利用者保護や外国人材の権利保護の観点から、

要件が厳しくなること自体は理解できます。

一方で、これらの条件を満たす余力がない事業者も多く、

人手不足の解消策として十分に機能していないのが現実です。

外国人材の受け入れは万能な解決策ではなく、

定着を図るためには、事業者任せの自助努力だけでなく、

より踏み込んだ政策的支援が求められると思います。

訪問介護という地域生活を支えるインフラをどう守るのか。

今後の制度設計と支援の在り方を

引き続き注視していく必要があります。