日別アーカイブ: 2026年11月2日

日本のホテルが海外進出を加速

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

旅行に出かける時、

宿泊先には何を求めますか?

現在はいろんなコンセプトのホテルがあり

ラグジュアリーなものからシンプルなものまで

私たちは目的に応じて選ぶことができます。

本日はホテル業界の最近の動向についてみたいと思います。

日本のホテルが海外進出を加速 国内の人手不足を乗り越え、次の成長へ

日本のホテル会社が、海外での事業拡大を進めています。

アパグループは北米を中心に事業を拡大し、

相鉄ホールディングスはアジアでの出店を進めています。

ホテルオークラも、国内外の運営ホテルを増やす方針です。

訪日外国人の増加で、日本のホテル業界は活況を呈しています。

しかし、ここに至るまでには、コロナ禍による旅行需要の急減や、

その後の人手不足など、さまざまな課題がありました。

国内市場が回復するなか、

なぜ各社は海外に成長の機会を求めるのでしょうか。

 

需要は回復したが、人手不足が深刻に

コロナ禍では、旅行や出張が減少し、

ホテル業界は大きな打撃を受けました。

その後、国内旅行や訪日外国人の需要が回復し、

ホテル業界は再び成長の機会を迎えています。

ところが、需要が戻っても、

以前と同じようにホテルを運営できるとは限りません。

観光庁が公表した2026年版観光白書に関する報道によると、

2025年12月から2026年1月に実施した宿泊施設への調査では、

72.2%が人手不足の状況にあると回答しました。

清掃やフロント、調理など、ホテル運営を支える人材の確保が

課題になっています。

さらに、人件費や建設費の上昇も、

ホテル事業を拡大するうえでの負担になります。

宿泊客が増えても、従業員を十分に確保できなければ、

サービスの維持や客室の稼働に影響が出かねません。

ホテルを新設する場合にも、土地や建設費、

人材などを確保する必要があります。

つまり、国内のホテル市場は需要が伸びている一方で、

その需要を受け入れ、利益につなげるための課題も抱えているのです。

 

国内で培った運営力を海外へ

こうしたなか、日本のホテル会社が海外に目を向ける理由の一つは、

国内で蓄積してきた運営ノウハウを新たな市場で

生かせる可能性があることです。

日本のビジネスホテルは、限られた客室スペースを有効に活用し、

自動チェックイン機などを導入しながら、

効率的な運営を追求してきました。

清潔な客室や安定したサービスを、比較的手ごろな価格で提供する。

こうした仕組みは、宿泊費が高い海外市場でも

競争力になる可能性があります。

ただし、海外に進出すれば人手不足やコストの問題が

解消するわけではありません。

現地でも人材確保や運営費への対応が必要です。

それでも、国内だけに事業を集中させず、

海外に収益源を広げることは、

将来の成長を考えるうえで重要な選択肢となります。

 

アパ・相鉄・オークラ、それぞれの戦略

海外進出を進める3社を比べると、

各社が生かそうとしている強みの違いが見えてきます。

【アパグループ:買収を活用して規模を拡大】

アパグループは、

北米のホテルチェーン「コーストホテルズ」の買収を足がかりに、

海外事業を拡大しています。

特徴は、買収や提携を通じて現地のホテル網を取り込み、

複数のブランドを展開することです。

2026年に発表した中期計画では、

2031年3月末までに海外の客室数を1万室に増やす目標を掲げています。

国内で培った運営ノウハウに加え、

現地の事業基盤を活用して海外での成長を加速させようとしています。

【相鉄ホールディングス:アジアで着実に拠点を増やす】

相鉄ホールディングスは、

宿泊に必要な機能を中心としたホテル運営のノウハウを生かし、

アジアでの展開を進めています。

韓国、ベトナム、台湾、タイなどにホテルを展開しており、

タイでは2029年秋に2店舗目を出店する計画です。

駅に近い立地や快適な客室、ICTを活用したサービスなど、

日本で培った運営の仕組みをアジアの都市で広げていく戦略です。

【ホテルオークラ:ブランド力とサービスの質で勝負】

ホテルオークラは、高品質なサービスとブランド力を

強みに海外展開を進めています。

同社グループの運営ホテルは2026年3月末時点で国内51ホテル、

海外26ホテルの計77ホテルです。

今後も海外を含めて運営拠点を増やし、

日本のおもてなしを基盤とするサービスを広げていく方針です。

価格の安さだけでなく、サービスの質や滞在体験によって選ばれるホテルを

目指しています。

 

海外進出は、日本のサービス産業の次の成長につながるか

3社の戦略は、それぞれ異なります。

アパグループは買収などによる規模の拡大、

相鉄はアジアでのチェーン展開、

ホテルオークラはブランド力を生かした事業拡大を進めています。

共通しているのは、国内で培った強みを生かしながら、

海外にも事業の可能性を広げようとしていることです。

国内市場は、訪日外国人の増加によって成長の機会が広がっています。

しかし、人手不足やコスト上昇といった課題もあり、

国内だけで事業を拡大し続けることは簡単ではありません。

そのため、海外進出は単なる出店先の拡大ではなく、

将来の収益基盤を築くための経営戦略としても捉えられます。

もちろん、海外では現地企業や世界的なホテルチェーンとの競争が

待っています。

日本で成功した運営方法が、そのまま海外でも通用するとは限りません。

国内で需要回復と人手不足の両方を経験した日本のホテル会社が、

海外でどのように成長していくのか。

その挑戦は、人口減少が進む日本のサービス産業全体にとっても、

今後の成長を考えるヒントになりそうです。