
皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
「秋の味覚」の代表格であるサンマですが、
2026年の漁は厳しいシーズンになる見通しです。
水産庁の予測では、日本近海への来遊量は前年から約6割減少し、
過去最低レベルとなる可能性があります。
さらに、漁獲されるサンマは
100〜110グラム台の小型魚が中心になると見込まれており、
昨年よりも小ぶりになると予想されています。
不漁の背景には、
海水温の上昇や海洋環境の変化があるとされ、
サンマが日本近海まで南下せず、
公海にとどまる傾向が強まっています。
その結果、漁場は日本から遠く離れ、
漁船はより長い距離を航行しなければならず、
燃料費などの操業コストが大幅に増加することが
懸念されています。
また、資源保護のため、北太平洋での国際的なサンマ漁獲枠も
前年より5%削減されました。
ただし、日本の漁獲枠は近年の実際の漁獲量を上回っているため、
今回の不漁は「漁獲枠が少ないから獲れない」のではなく、
「そもそも魚が来ない」という資源そのものの減少が
大きな要因と考えられています。
この影響は漁業者だけにとどまりません。
缶詰や干物などを製造する水産加工業では原料確保が難しくなり、
価格上昇や商品の供給不足も懸念されています。
一方で、水産業界では環境の変化に対応するため、
新たな動きも広がっています。サンマに代わり、
資源量が豊富なマイワシやサバへの漁獲シフトが進み、
加工会社でもイワシやカツオなどを活用した新商品の開発が
進められています。
さらに、天然資源に依存しない完全養殖技術の研究も
進められるなど、漁業全体が大きな転換期を迎えています。
私たちは普段、スーパーに並ぶ魚を見るだけでは、
その背景にある海の変化を実感することはあまりありません。
しかし、サンマの不漁は、地球温暖化や海洋環境の変化が
私たちの食卓にまで影響を及ぼしていることを示す
象徴的な出来事ともいえます。
サンマの不漁は、一時的な出来事ではなく、
海洋環境の変化に伴う構造的な課題となりつつあります。
これまで当たり前だった魚が当たり前に獲れない時代を迎え、
日本の漁業や水産加工業は新たな魚種への転換や
技術革新を進めています。
私たち消費者も、旬の魚を楽しみながらも、
その時々の資源状況に応じてさまざまな魚を選ぶということが、
スタンダードになっていくのではないでしょうか。