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日別アーカイブ: 2026年10月2日

高齢者とペットの暮らし、飼い主が世話をできなくなったときの備えとは

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

前回のブログでは、

犬との暮らしが高齢者の認知症リスクや健康維持に関係していること

を紹介しました。

犬との散歩や日々のお世話は、運動や人との交流のきっかけになり、

生活に張り合いを与えてくれます。

一方で、高齢になってから犬を飼う場合には、考えておきたい問題もあります。

犬との暮らしには健康面でのメリットが期待される一方、

年齢を重ねるにつれて、飼育を続けること自体が難しくなる場合もあります。

特に考えておきたいのが、次の3つです。

 

1.飼い主自身の体力が低下する

若い頃には問題なくできていた散歩も、足腰が弱くなると負担になります。

犬に引っ張られて転倒したり、散歩中にけがをしたりする可能性もあります。

大型犬や力の強い犬の場合は、特に注意が必要です。

また、ドッグフードの買い出しやトイレの掃除、動物病院への通院など、

日々の世話には想像以上に体力が必要です。

犬の健康だけでなく、飼い主自身の健康状態も考えながら、

無理なく続けられる飼育方法を選ぶことが大切です。

 

2.飼い主が病気や認知症になったとき、誰が世話をするのか

高齢者のペット飼育で、特に重要なのがこの問題です。

犬の寿命は一般に十数年程度といわれています。

子犬から飼い始めた場合、犬が高齢になる頃には、飼い主もさらに年齢を重ねています。

飼い主が入院したり、介護施設に入所したり、亡くなったりした場合、

残された犬の世話を誰が引き継ぐのでしょうか。

また、飼い主自身が認知症になった場合には、

食事を与え忘れる、薬の管理ができなくなるなど、

適切な飼育が難しくなることも考えられます。

ペットは家族の一員であっても、自分で新しい飼い主を探すことはできません。

だからこそ、飼い始める段階から、将来の世話について

考えておく必要があります。

 

3. ペットの医療費など、経済的な負担がある

犬も高齢になると、病気やけがで動物病院に通う機会が増えることがあります。

定期的な健康診断や薬代に加え、手術や長期の治療が必要になる場合もあります。

年金生活に入ってから、こうした費用が家計の負担になることも考えられます。

犬を飼う際には、日常の飼育費用だけでなく、将来の医療費や、

飼い主が世話をできなくなった場合の費用まで見通しておくことが重要です。

 

安心して犬と暮らし続けるためにできること

では、こうした問題に備えるには、どのような方法があるのでしょうか。

 

1. 飼い始める前に、犬の年齢や大きさを考える

高齢になってから犬を飼う場合、子犬だけでなく、

性格や健康状態が分かっている成犬を譲り受けることも選択肢になります。

体格や運動量、引っ張る力なども確認し、

自分の体力で無理なく世話ができる犬を選ぶことが大切です。

また、飼い始める前に、家族や親族と話し合い、

将来世話ができなくなった場合に引き取ってくれる人がいるかを

確認しておくことも重要です。

 

2.ペットシッターや地域の支援を調べておく

家族が近くに住んでいない場合には、

ペットシッターや一時預かりサービス、動物保護団体などの支援を

事前に調べておく方法があります。

急な入院などに備え、緊急時に連絡できる人や、

犬を預けられる場所を決めておくと、いざというときの負担を減らせます。

ペットカメラや自動給餌器などの機器も、

日常の見守りや食事管理を補助する方法の一つです。

ただし、こうした機器だけで飼育のすべてを代替できるわけではありません。

実際に世話をする人との連携が必要です。

 

3. ペット信託や遺言などで、将来の飼育費用を考える

飼い主が亡くなった後のことまで考える場合には、

法律や契約を活用した備えもあります。

例えば、ペットの飼育費用を確保し、

世話を引き継ぐ人や団体をあらかじめ決めておく方法です。

いわゆる「ペット信託」などの仕組みを利用する場合には、

資金の管理方法、飼育を担う人、費用の使い道などを具体的に決めておくことが

重要になります。

遺言によって飼育を引き継ぐ人に財産を遺す方法も考えられます。

ただし、財産を渡すだけで必ず飼育が続くとは限りません。

引き受ける人との合意や、実際に世話を続けられる体制を整える必要があります。

犬の将来を守るためには、飼育費用と飼育する人の両方を考えることが大切です。

 

犬を飼うことが難しい場合は、ロボットペットという選択肢も

高齢者の中には、犬と暮らしたいと思っていても、

体力や住環境、経済的な事情から飼育が難しい方もいます。

そうした場合には、コミュニケーションロボットを活用する方法もあります。

例えば、犬型ロボットの「AIBO」や、

抱きかかえたり話しかけたりして触れ合う「LOVOT」などがあります。

本物の犬のように散歩や排せつの世話をする必要がなく、

日常の中で話しかけたり、触れ合ったりすることができます。

ただし、ロボットペットについては、

犬の飼育と同じように認知症の発症リスクを下げるという科学的根拠が

確立しているわけではありません。

動物との触れ合いによる効果をそのまま再現できるとは限りませんが、

生活に楽しみや刺激を取り入れるための一つの選択肢にはなりそうです。

 

ペットと暮らす喜びを、将来の安心につなげる

犬との暮らしは、散歩や人との交流、日々のお世話を通じて、

高齢者の生活に運動や役割をもたらします。

国内の研究でも、犬を飼っている高齢者では

認知症の発症リスクが低いという結果が報告されており、

ペットと暮らすことが健康長寿を考えるうえで注目されています。

一方で、犬も年を取り、飼い主も年齢を重ねます。

自分が病気になったとき、入院したとき、あるいは亡くなった後に、

残された犬がどうなるのか。

こうした問題は、ペットを飼っている人にとって、決して他人事ではありません。

高齢化や単身世帯の増加が進む中、ペットは単なる愛玩動物ではなく、

生活を共にする大切な家族の一員となっています。

だからこそ、ペットとの暮らしを楽しむことと同時に、

自分自身とペットの将来を考えておくことが大切なのではないでしょうか。

ペットと安心して暮らし続けるための備えは、

自分の老後や相続について考えることにもつながっていると言えます。