日別アーカイブ: 2026年10月20日

2日間で495万円のゴルフ観戦も。スポーツホスピタリティという新しいビジネス

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

 

スポーツ観戦といえば、チケットを購入して試合を楽しむもの。

そんなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

ところが今、観戦に特別な食事や交流、

普段はできない体験などを組み合わせた

「スポーツホスピタリティ」が注目されています。

2026年10月に開幕した米男子ゴルフツアーの

「ベイカレントクラシック Presented by LEXUS」でも、

驚くような価格の商品が登場しました。

今回は、スポーツ観戦の新しい楽しみ方と、

その背景にあるビジネスの可能性について考えてみます。

2日間で495万円。それでも売れる観戦商品

今回の大会でJTBが販売した公式ホスピタリティプログラムには、

複数の価格帯の商品が用意されました。

その中で最高額となるのが、2日間で1人495万円の

「Diamond 2DAYS Experience」です。

単にゴルフを観戦するためのチケットではありません。

専用ラウンジでの食事や観戦に加え、

プロアマトーナメントへの参加、レセプションパーティーなど、

通常の観戦ではなかなか経験できない機会が組み合わされています。

大会を観戦するだけでなく、

選手との交流や特別な空間で過ごす時間まで含めた商品です。

新聞報道によると、この最高額の商品はほぼ売り切れたといいます。

2日間で495万円という価格には驚かされますが、

こうした商品を求める人がいることは、

スポーツ観戦に対する価値観が広がっていることを示す事例といえそうです。

もちろん、すべてのスポーツ観戦で

高額商品が売れるわけではありません。

競技の人気や大会の規模、提供される体験の内容などによって、

需要は大きく変わります。

それでも、通常の観戦とは異なる価値を提供することで、

新しい市場が生まれていることは注目したい点です。

スポーツホスピタリティとは?

スポーツホスピタリティとは、スポーツ観戦に食事や交流、

特別な体験などを組み合わせ、

付加価値の高いサービスとして提供するものです。

例えば、次のようなサービスがあります。

  • 専用ラウンジや個室で食事を楽しみながら観戦する
  • 普段は入れない場所を見学する
  • 選手や関係者との交流イベントに参加する
  • ホテルや送迎、地域観光などを組み合わせる

商品によって内容は異なりますが、

共通しているのは、試合を見ることだけでなく、

会場で過ごす時間そのものに価値を持たせている点です。

こうしたサービスは、欧米で先行して広がってきました。

スポーツ庁も、スポーツ観戦に付帯サービスを組み合わせる取り組みを

推進しています。

日本でも、プロ野球やゴルフ、サッカーなど、

さまざまな競技で新しい観戦スタイルが広がりつつあります。

世界市場も拡大が予測される

日本国内の事例だけでなく、世界市場の動きも注目されています。

日本経済新聞の報道によると、スポーツホスピタリティの世界市場は、

2025年比で約2.6倍となる2032年に398億ドルに拡大する見通しです。

市場調査による将来予測であり、

実際の成長がそのとおりになるとは限りません。

ただ、スポーツ観戦に特別な体験を組み合わせるビジネスが、

世界的にも成長分野として注目されていることが分かります。

背景には、観戦チケットを販売するだけでなく、

顧客との交流や特別な時間を提供することで、

スポーツイベントの価値を高めようとする動きがあります。

企業にとっては、取引先との関係づくりにも

スポーツホスピタリティは、

個人が特別な思い出をつくるためだけのものではありません。

企業にとっても活用する意味があります。

例えば、重要な取引先を招待し、一緒に試合を観戦するケースです。

普段の商談とは異なる環境で会話を楽しむことで、

相互理解を深めるきっかけになります。

また、社員への表彰や報奨、社内交流の機会として活用することも

考えられます。

企業にとっては、観戦チケットを購入するだけでなく、

人との関係づくりに役立つ時間を提供するという考え方です。

高額な商品であっても、

その体験が顧客や取引先にとって大きな価値を持つのであれば、

選択肢の一つになり得ます。

「何を売るか」から「どんな体験を提供するか」へ

スポーツホスピタリティの動きから見えてくるのは、

既存の商品やサービスに新しい価値を加えようとする流れです。

同じ試合を観戦する場合でも、座席だけを提供するのか、

食事や交流、特別な体験まで組み合わせるのかによって、

商品の内容は大きく変わります。

これはスポーツに限った話ではありません。

旅行であれば、宿泊することだけでなく、

その土地ならではの食や文化を楽しむこと。

飲食店であれば、料理を提供するだけでなく、

生産者の話や地域の魅力に触れられること。

顧客が何に価値を感じるのかを考え、

商品やサービスの内容を組み立てることで、

新たな需要が生まれる可能性があります。

スポーツホスピタリティは、

観戦という既存のサービスに新たな価値を加える取り組みです。

次回は、この分野に旅行会社が力を入れている背景を取り上げます。

チケットや宿泊を手配する仕事から、

体験そのものを企画する仕事へ。

旅行業界で進む新しいビジネス展開を見ていきます。