日別アーカイブ: 2026年10月14日

日本人の身長が伸びなくなった?韓国・中国との比較から考える、食生活と睡眠の変化

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

 

今回は

「日本人の平均身長が韓国や中国に追い抜かれた」

という話題を取り上げたいと思います。

身長の高い、低いについては、

人それぞれいろいろな考え方があると思います。

仕事や趣味、スポーツの種類によって、

体格が影響する場面もあるでしょう。

一方、日本の一般的な社会生活において、

身長そのものが必ずしも重要な条件になるわけではありません。

ただ、今回のデータを見て気になったのは、

身長の変化の背景にある食生活や睡眠、

子どもの成長環境などの違いです。

身長という一つの指標から、

現在の日本人の生活習慣について考えてみたいと思います。

日本人の平均身長は、なぜ韓国や中国に追い抜かれたのか

国際研究グループ「NCD-RisC」が発表した

世界200の国・地域を対象とする研究では、

1985年から2019年にかけて、

19歳の平均身長がどのように変化したのかが分析されています。

この研究は、約2,180件の人口ベースの調査を統合し、

約6,500万人のデータを分析したものです。

2019年の19歳の平均身長を見ると、

日本と韓国、中国には次のような差が見られました。

国     男性         女性
日本 172.1cm 158.5cm
韓国 175.5cm 163.2cm
中国 175.7cm 163.5cm

出典:NCD-RisCによる1985~2019年の国際比較。数値は19歳の平均推計身長。

 

1985年には日本の男性の平均身長は韓国や中国を上回っていましたが、

その後、韓国や中国では大きく伸びています。

研究では、中国と韓国は

この約35年間で平均身長が大きく伸びた国として報告されています。

もちろん、平均身長の変化だけで、どちらの国の生活が豊かであるか、

健康であるかを判断することはできません。

しかし、経済成長や食生活の変化が続いた国々で、

子どもや若者の身体的な成長にも大きな変化が見られたことは

興味深い点です。

 

身長の変化と関係する、食生活や生まれる前の環境

では、日本ではなぜ平均身長が伸びなくなったのでしょうか。

その原因は一つではありません。

遺伝的な要因に加え、妊娠中から幼少期にかけての栄養状態や

健康状態など、さまざまな要素が関係しています。

国立成育医療研究センターの研究では、

1980年前後に生まれた世代をピークに、

日本人の成人平均身長が低下傾向に転じたことが報告されています。

また、低出生体重児の割合の増加が、

その一因となっている可能性も指摘されています。

日本では、出生体重2,500グラム未満の子どもの割合が

1970年代後半に低下した後、再び増加し、

2000年代以降も高い水準で推移してきました。

妊娠前のやせや妊娠中の栄養状態は、

赤ちゃんの成長に関係することが分かっています。

ただし、低出生体重児として生まれた子どもが、

必ずしも将来の身長が低くなるというわけではありません。

出生後の成長や健康状態なども関係します。

大切なのは、妊娠中から子どもの成長期まで、

必要な栄養を確保できる環境を整えることではないかと思われます。

 

睡眠や食生活など、日々の習慣の積み重ね

身長の成長には、食事だけでなく、

睡眠や健康状態も関係しています。

成長期には、十分な栄養を取ることや、

規則正しい生活を送ることが大切です。

例えば、次のような生活習慣は、

改めて考えてみる価値がありそうです。

•食事を抜いたり、極端に食事量を減らしたりしていないか。
•主食だけでなく、たんぱく質や野菜など、必要な栄養を幅広く取れているか。
•夜更かしが続き、子どもが十分な睡眠時間を確保できているか。
•成長期の子どもが、体重や体型を気にするあまり、必要以上に食事制限をしていないか。

もちろん、こうした生活習慣を見直せば、

必ず身長が伸びるという話ではありません。

身長は遺伝的な影響も大きく、

生活習慣だけで決まるものではないからです。

また、韓国や中国の平均身長が伸びた理由についても、

栄養状態の改善だけですべて説明できるわけではありません。

それでも、成長期の食事や睡眠、健康管理を考えることは、

身長に限らず、子どもたちの健康を守るうえで

意味のあることだと思います。

 

身長の国際比較から、私たちの生活を考える

今回のデータを見て感じたのは、身長の高い、低いそのものよりも、

生活環境の変化が長い年月をかけて人の身体に表れてくる

ということです。

経済的に豊かになり、食べ物が身近にある社会であっても、

栄養の取り方や体型に対する考え方、睡眠時間などによって、

子どもたちの成長環境は変わってきます。

便利な生活になったからといって、

必ずしも健康にとって望ましい生活ができているとは

限らないのかもしれません。

今回の平均身長の比較は、あくまでも一つの指標です。

身長が高いことが、そのまま健康や生活の豊かさを

意味するわけではありません。

ただ、普段はあまり意識しない食生活や睡眠、

子どもの育つ環境について、改めて考えるきっかけにはなるのでは

ないでしょうか。

日々の小さな習慣の積み重ねが、

長い目で見たときにどのような変化につながるのか。

今回のデータは、そんなことを考えさせてくれるものでした。