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皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
朝夕は涼しく、日中に気温が上がるという
服選びに迷う毎日が続いておりますが
いかがお過ごしでしょうか。
早くもインフルエンザが流行っているというニュースを
耳にしました。
充分な睡眠と栄養のある食事、適度な運動を心がけ、
体調管理に気を付けないといけないですね。
本日は大手メーカー「花王」の最近の動きから
学んだことをお話したいと思います。
花王といえば、洗剤やシャンプー、化粧品など、
私たちの暮らしに身近な商品を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ところが、花王は家庭向けの商品だけでなく、
半導体の製造に使われる精密洗浄剤も手掛けています。
(お恥ずかしながら、私は知りませんでした。)
半導体といえば、最先端の技術が求められる分野です。
一見すると、毎日の暮らしを支える洗浄技術とは、
ずいぶん離れた世界に感じます。
しかし、花王の取り組みを見ると、長年培ってきた技術を生かしながら
顧客が求めるものに合わせて商品を開発するという
事業づくりのヒントが見えてきます。
花王が展開する産業用洗浄剤「クリンスルー」シリーズは
電子回路基板や半導体の製造工程などで使われています。
例えば、半導体を基板に実装する工程では
はんだ付けに使う材料の残りかすなどを取り除く必要があります。
ただ汚れを落とせばよいわけではありません。
精密な部品や金属表面への影響を抑えながら、
必要な汚れを確実に除去することが求められます。
花王は、界面活性剤などの研究を通じて蓄積してきた技術を生かし、
こうした製造現場の課題に対応する洗浄剤を開発しています。
また、洗浄力だけでなく、洗浄工程の短縮や排水負荷の低減など、
製造現場が抱えるさまざまな課題にも取り組んでいます。
つまり、単に「よく落ちる洗剤」を販売するのではなく、
顧客の製造工程で何が問題になっているのかを考え、
その解決につながる商品を提供しているのです。
花王の取り組みでもう一つ興味深いのが、
顧客との距離を縮めるための拠点づくりです。
花王は台湾・新竹に、海外初となる精密洗浄センターを設けました。
2025年12月に開設が発表されたこの施設では、
半導体パッケージ基板などの洗浄について、
顧客の実際の製造条件に近い環境で試験を行い、
課題に応じた解決策を検討できます。
半導体の製造現場では、製品の構造や製造方法によって、
洗浄に求められる条件も異なります。
ある顧客にとって最適な商品が、別の顧客にもそのまま適しているとは限りません。
だからこそ、顧客の近くで試験や検証を行い、
要望を聞きながら改善することが重要になります。
商品をつくって売るだけではなく、顧客の課題を理解し、
一緒に解決策を探す。
こうした姿勢も、花王の事業展開から読み取れるポイントです。
この事例は、中小企業の経営にも通じるものがあります。
新しい事業を始めようとするとき、
まず「何を売ろうか」と考えることは多いと思います。
自社が得意としていることや、
これまで扱ってきた商品を軸に考えるのは自然なことです。
ただ、それだけでは、必ずしも顧客の需要と結びつくとは限りません。
例えば、同じ建設業でも、会社によって困っていることは異なります。
人手不足に悩む会社もあれば、受注先の開拓に苦労している会社、
許認可や経営管理の手続きに負担を感じている会社もあります。
こうした違いを理解せず、誰にでも同じサービスを紹介していては、
自社の強みが十分に伝わらないかもしれません。
一方で、特定の顧客層が抱える課題を把握し、
それに合ったサービスを用意できれば、
顧客にとっても利用する理由が明確になります。
大切なのは、自社が提供したいものだけで考えるのではなく、
相手が何を必要としているのかを考えることだと思います。
花王の半導体向け洗浄剤は、
まったく新しい技術を一から生み出したというよりも、
これまで蓄積してきた技術を別の市場の課題解決に生かしている事例として
捉えることができます。
もちろん、半導体分野への展開には、
高度な研究開発や品質管理が必要です。
どの企業でも簡単にまねできるものではありません。
それでも、自社の持つ技術や経験を、
別の顧客や市場に生かせないかと考えることは、
多くの中小企業にとって参考になるのではないかと思います。
すでに持っている強みを、誰に届けるのか。
どのような困りごとの解決に役立てるのか。そ
して、顧客の声を聞きながら、どう改善していくのか。
商品やサービスを売るうえでは、こうした視点が欠かせません。
売上を伸ばすために、必ずしも新しい商品を一からつくる必要はなく
自社の強みを、必要としている人に、必要とされる形で届ける。
花王の取り組みは、そんな事業づくりの基本を改めて
考えるきっかけになりそうです。