日別アーカイブ: 2026年10月22日

人手不足なのに人が集まらない

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

週末にかけて台風の進路が気になりますが

こちら奈良市富雄はとても爽やかな一日となりそうです。

 

以前から何度か人手不足問題については採り上げていますが、

本日は医療現場についてです。

医療現場の人手不足が課題となるなか、

若手医師の進路選択が注目されています。

その一つが、美容医療の分野へ進む医師の増加です。

医学部を卒業し、2年間の初期臨床研修を終えた後、

内科や外科などの専門研修に進まず、

美容クリニックに就職することは、

業界内で「直美(ちょくび)」と呼ばれています。

一般の病院では医師不足が問題となっている一方、

美容医療は自由診療を中心とする分野です。

なぜ、こうした進路を選ぶ医師がいるのでしょうか。

給与だけではない、働き方の選択

背景の一つとして考えられるのが、待遇や働き方の違いです。

病院勤務の医師は、診療や手術だけでなく、

当直、救急対応、急な呼び出しなどに対応することがあります。

診療科によっては、長時間労働や重い責任を伴う場面も

少なくありません。

一方、美容医療は、予約を中心に診療を組み立てやすい施設もあり、

勤務時間や休日の見通しを立てやすい場合があります。

また、自由診療を中心とするため、

保険診療とは収入の仕組みも異なります。

もちろん、美容医療にも施術に伴うリスクや患者への説明、

トラブル対応などの責任があります。

すべての美容クリニックで労働環境がよいというわけでもありません。

それでも、給与や働き方、将来の生活設計などを比較したとき、

美容医療を魅力的な選択肢と考える医師がいても

不思議ではありません。

医師に限らず、働く人が自分の生活や将来を考え、

職場を選ぶことは自然なことです。

人手不足は、人数を増やすだけでは解決しない

ただし、医師がそれぞれ希望する分野で働くことと、

社会全体で必要な医療を維持することは、必ずしも一致しません。

救急医療や地域医療など、

安定した人材確保が求められる現場に十分な医師が集まらなければ、

地域によって受けられる医療に差が生じる可能性があります。

こうした問題への対応として、国も医師の偏在対策を進めています。

2026年4月からは、

保険医療機関の管理者になるための要件が設けられました。

対象となる医師には、臨床研修の修了時期などに応じて、

保険診療等に従事した経験などが求められます。

ただし、これは保険医療機関の管理者に関する制度であり、

美容医療への就職そのものを一律に禁止するものではありません。

制度による対応が進む一方で、

医師がどのような環境で働きたいと考えているのかにも

目を向ける必要がありそうです。

中小企業の人材確保にも通じる問題

この問題は、医療界だけの話ではありません。

人手不足に悩む中小企業でも、

求人を出しているのに応募が集まらない、

採用しても定着しないといった課題が見られます。

もちろん、医師と一般企業の従業員では、

必要な資格も仕事の内容も異なります。

しかし、人が職場を選ぶ際に、給与だけでなく、

労働時間、休日、職場の雰囲気、教育体制、

将来のキャリアなどを考える点は共通しています。

企業側が「人が足りないから採用したい」と考えていても、

働く側が求める条件と合っていなければ、

人材を確保することは難しくなります。

人手不足を人口減少だけの問題として捉えるのではなく、

自社の働き方や待遇、仕事の進め方を見直すことも重要です。

人材を確保するためには、給与を引き上げるだけでなく、

働き続けたいと思える職場をつくることも欠かせません。

医療界で起きている医師の進路選択は、

必要な人材をどのように確保し、

社会に必要なサービスを維持していくのかという、

これからの企業経営にも通じる課題を示しているのではないでしょうか。

 

ごあんない

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