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深刻化するケアマネジャー不足

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

介護サービスの要となるケアマネジャー(介護支援専門員)の

なり手不足が、いま深刻な問題になっています。

高齢化が進み、支援を必要とする人が増え続ける一方で、

現場を支える人材が追いついていません。

日本では65歳以上が3600万人を超え、人口の約3割を占めています。

要支援・要介護の認定者も2023年度末で708万人と、

2000年度から約3倍に増加しました。

需要は拡大する一方ですが、ケアマネを目指す人は減少しています。

試験受験者数は2014年度の約18万人から

2023年度には約5.6万人まで減少。

資格取得後も現場に入らない「隠れケアマネ」が

増えているといわれています。

背景には、資格の魅力低下があります。

2018年の制度改正で実務研修が長期化し、

登録までの負担や費用が増えました。

また、現役ケアマネの高齢化が進むなか、

若い世代が業務の過酷さを理由に敬遠する傾向もあります。

業務環境も厳しいのが実情です。

介護保険制度に基づく膨大な書類作成に追われ、

利用者と向き合う時間が削られています。

さらに、家事の手伝いや通院同行、保証人や成年後見の相談など、

本来の役割を超えた「シャドーワーク」も常態化。

責任の重さと心理的負担が離職の一因になっています。

こうした状況を受け、

厚生労働省は「資格取得の緩和」「処遇改善」「負担軽減」の

3本柱で対策を進めています。

まず資格制度の見直しです。

受験に必要な実務経験を「5年以上」から「3年以上」に短縮する案や、

対象資格の拡大が検討されています。

また、5年ごとの更新研修制度の廃止も議論されています。

次に処遇改善です。

2025年12月から2026年5月まで、

月額1万円相当の賃上げを支援する補助事業が実施され、

2026年6月以降は介護報酬改定により恒久化される見通しです。

さらに、ICT活用による業務効率化も進められています。

AIを活用したケアプラン作成支援ソフトやタブレット導入への補助、

シャドーワークの実態把握と外部化に向けた

制度整備も予定されています。

ケアマネジャーは、高齢者や家族にとって

「最後の砦」ともいえる存在です。

人材不足を放置すれば、

必要な人に必要な支援が届かなくなる恐れがあります。

制度改革と現場支援を着実に進めることが必要です。