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皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
日経新聞の労働力調査によると、転職者は24年まで3年連続で増加しました。
しかし、AI普及で余剰が指摘される事務職・生産職から、
介護や公共交通などの「エッセンシャル職」への労働移動は進んでいません。
日経の分析では、21〜24年に転職した約840万人のうち、
エッセンシャル職に移ったのは13%にとどまります。
事務・生産職の内部移動は3割を超えている一方、
非エッセンシャル職との壁は依然として高い状況です。
その背景には、待遇差があります。
日経が約1,200万件の求人情報を調べたところ、
25年4月の正社員求人では、エッセンシャル職の平均賃金(下限月給)は
非エッセンシャル職より約1割低いことが分かりました。
かつては過疎地の課題だった人手不足が、次のように都市部にも広がっています。
•東京都内ではバスの運転手不足により路線廃止・減便が相次ぐ
•西東京市では学校給食の人員確保ができず、弁当支給で対応
生活に直結するサービスの安定供給に、すでに支障が出始めています。
リクルートワークス研究所によれば、エッセンシャル職の不足は今後も深刻化し、
40年には470万人が不足すると予測されています。
必要な人員の8割しか確保できなくなる計算です。
高齢者比率の伸びが鈍化してシニアの就労にも限界がある中、
介護職も24〜40年に179万人から171万人へ減少すると見込まれています。
働き手の介護離職はすでに年10万人規模で、
放置すれば企業の人手不足に連鎖しかねません。
政府の「骨太の方針」でも、エッセンシャル職の処遇改善が明記されました。
加えて、デジタル技術を活用する「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」の
育成が進められています。
介護ロボットやICT機器の活用により、職の魅力が高まると期待されています。
経済産業省は、このまま生活サービスが不足すると、
40年の実質GDPが最大76兆円減少すると試算しています。
もはや国全体の課題であるエッセンシャルワーカー不足。
人々の生活を支える仕事ほど人が集まらないという矛盾。
デジタル化や処遇改善が本当に現場の魅力につながるのか、
今後の進展をしっかり見ていきたいところです。