オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2026年3月5日

婚姻数の増加が出生数に結びつくのか?

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

新型コロナウイルス禍で大きく落ち込んだ婚姻数に、

ようやく持ち直しの兆しが見えています。

厚生労働省が発表した2025年の人口動態統計(速報値)によると、

結婚したカップルは前年比1.1%増の50万5656組。

2年連続の増加で、50万組を超えるのは3年ぶりです。

背景には、コロナ禍による結婚延期の反動に加え、

結婚の中心世代である20〜30代の人口が急減していないことがあります。

1990年から2000年にかけては出生数が年間約120万人で比較的安定しており、

その世代がいま20代後半から30代前半に差しかかっていることが、

婚姻数の下支えにつながっていると分析されています。

ただし、結婚がそのまま出生数の回復につながるかは不透明です。

共働き世帯が増えるなか、「2人目の壁」と呼ばれる問題も

指摘されています。

経済的負担や仕事との両立の難しさから、

複数の子どもを持つことに慎重になる家庭は少なくありません。

また、「結婚しても子どもを持つかどうかは自分で決めたい」という

価値観も広がっています。

これまで少子化の主因は未婚率の上昇とされ、

自治体などは結婚支援に力を入れてきました。

しかし、結婚と出産が必ずしも結びつかない時代になりつつあり、

従来の前提が揺らいでいます。

政府は2023年に少子化対策の「加速化プラン」を打ち出し、

児童手当の拡充や男性の育休取得促進など、

年間3.6兆円規模の予算を計上しました。

それでも、「そもそも子どもを持たない」という選択をする層への

アプローチは簡単ではありません。

2026年は60年ぶりの「丙午(ひのえうま)」の年に当たります。

1966年には「丙午生まれの女性は気が強い」という迷信が影響し、

出生数が大きく落ち込みました。

現在では迷信の影響はほとんどないとみられますが、

少子化の背景にある社会構造の問題はより根深いものです。

婚姻数の回復は明るい材料ではありますが、

それだけで少子化が反転するわけではありません。

結婚、出産、子育てをめぐる価値観や働き方、

経済環境まで含めた、より幅広い視点での議論が求められています。