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上司を何と呼ぶか?

皆様こんにちは。

奈良市富雄の行政書士 松岡です。

 

職場で上司を呼ぶとき、皆さんは「課長」「部長」と役職で呼びますか。

それとも「○○さん」と名字に「さん」を付けますか。

文化庁が2026年10月2日に公表した令和7年度(2025年度)の

「国語に関する世論調査」では、

こうした職場での言葉遣いにも世代による違いが表れました。

特に目を引くのが、上司の呼び方です。

全体では「課長などの役職で呼ぶ」という回答が多い一方、

若い世代では「名字+さん」で呼ぶことを望む人が増えています。

過去の調査でも「さん付け」を支持する割合は上昇しており、

1996年度の8.8%から2015年度には16.0%へと増えています。

「上司だから役職で呼ぶ」という従来の感覚から、

「同じ職場で働く人としてさん付けで呼ぶ」という感覚へ、

少しずつ変化しているようです。

 

「なるはや」は若者には普通でも…

 

今回の調査では、職場での呼び方だけでなく、日常的な言葉についても

世代間の違いが見られました。

例えば「なるはや」。

「なるべく早く」を短くした言葉で、若い世代を中心に使われています。

ところが、年代が上がると、この言葉に違和感を持つ人が増えます。

一方、「ツーカーの仲」という言葉になると、逆の現象が起こります。

「一言だけで話が通じるような、気心が知れている関係」という意味ですが、

若い世代では使う人が少なくなっています。

つまり、

「上の世代には普通に通じる言葉が、若い世代には伝わりにくい」

反対に、

「若い世代には普通の言葉が、上の世代には違和感を持たれる」

ということが起こっています。

 

ジェネレーションギャップは今に始まったことではない

 

こうした世代間の違いは、決して今に始まったことではありません。

どの時代にも、その時代特有の言葉や価値観があり、

年齢が違えば「当たり前」も変わります。

昔は当たり前だった言葉が今では古く感じられたり、

反対に、今の若者が普通に使っている言葉を上の世代が理解できなかったりすることは、

ある意味では自然なことです。

大切なのは、どちらが正しいかを決めることではないのかもしれません。

例えば、上司を「課長」と呼ぶことに慣れている人にとっては、

それが礼儀であり、仕事上の距離感を保つ方法なのかもしれません。

一方で、「○○さん」と呼びたい若い世代にとっては、

役職ではなく一人の人として接することが、

話しやすさやコミュニケーションのしやすさにつながっているのかもしれません。

どちらも、その世代の中では自然な感覚です。

 

「相手に合わせる」ことも仕事の一部

 

職場では、さまざまな年代の人が一緒に働きます。

そのため、自分にとっての「普通」を相手にも求めてしまうと、

ちょっとした言葉の違いがコミュニケーションの壁になることがあります。

「そんな言葉も知らないのか」

「そんな言い方をするのは失礼だ」

と考える前に、

「自分とは違う世代では、こういう感覚なのかもしれない」

と一度考えてみる。

そして、必要であれば相手に合わせて言葉を選ぶ。

これは、若い世代だけに求められることでも、

上の世代だけに求められることでもありません。

お互いが少しずつ理解し、歩み寄ることが、

仕事を円滑に進めるうえでは大切なのではないでしょうか。

言葉は時代とともに変わります。

「さん付け」や「なるはや」、「ツーカー」という言葉の違いは、

単なる言葉の流行ではなく、世代によって仕事や人間関係に対する感覚が

少しずつ変化していることを示しているのかもしれません。

世代の違いをなくすことはできません。

だからこそ、違いがあることを前提にして、

お互いを理解しようとする。

これからの職場では、そんな姿勢が

ますます重要になっていくのではないでしょうか。