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皆様こんにちは。
奈良市富雄の行政書士 松岡です。
「求人を出しても応募が来ない」
「採用しても、なかなか人が定着しない」
人手不足が続く中、こうした悩みを抱える企業は少なくありません。
これまで企業の採用では、
「週5日、1日8時間働けること」
が一つの基準になってきました。
しかし、働く人の事情や価値観が変化する中で、
少しずつその考え方も変わりつつあります。
その一つが、短い時間で働く人を、
補助的な人材ではなく戦力として捉える考え方です。
「時短勤務」は、これまでとは違う意味を持ち始めている
時短勤務というと、これまでは
育児や介護などの事情を抱える社員への配慮
というイメージが強かったかもしれません。
もちろん、こうした働き方は
仕事と家庭を両立するために重要です。
一方で、最近は人手不足を背景に、企業側から
「働く時間が短くても、能力や経験を生かしてもらう」
という考え方が広がっています。
例えば、専門的な経験を持っているものの、
家庭の事情などからフルタイム勤務が難しい人がいます。
企業が「フルタイムで働ける人」という条件だけで採用を考えると、
こうした人材は最初から候補から外れてしまいます。
逆に考えれば、勤務時間について柔軟に考えることで、
これまで採用市場で出会えなかった人材と接点を持てる可能性があります。
高知県では「短時間正職員」に多くの応募
そのことを考える上で興味深いのが、高知県の取り組みです。
高知県では、
正規職員でありながら勤務時間を短くできる
「短時間正職員」
の採用枠が設けられました。
行政職5人の募集に対して約100人が応募し、
20倍程度の倍率になったとされています。
短時間で働きたい人の中にも、
これまでの仕事で培った経験や専門性を持つ人がいます。
つまり、「フルタイムでは働けない」ということと、
「仕事の能力が低い」ということは、
当然ながら同じではありません。
人手不足が深刻になるほど、
企業側がこうした人材に目を向ける意味は大きくなってきます。
時短勤務を導入すれば、それだけで人手不足が解決するわけではない
ただし、ここで注意したいのは、
勤務時間を短くするだけでは、時短勤務者を十分な戦力にできない
ということです。
例えば、これまで一人の社員が朝から夕方まで担当していた仕事を
そのまま6時間勤務の人に任せれば、
単純に「仕事が終わらない」という問題が起こるかもしれません。
重要になるのは、仕事そのものを見直すことだと思います。
「この仕事は毎日やる必要があるのか」
「この業務は誰でもできるようにできないか」
「パソコンやシステムを使って効率化できないか」
「一人に集中している仕事を分けられないか」
こうした見直しを行い、
短い時間でも成果を出せる仕事の形をつくる必要があります。
時短勤務が「業務の見える化」につながることも
時短勤務者を受け入れることで、
これまで当たり前だった仕事の進め方を
見直すきっかけになることもあります。
例えば、担当者が休むと誰も仕事の内容が分からない「属人化」。
あるいは、口頭での指示が中心で、
担当者がいなければ仕事が止まってしまう状態です。
勤務時間が限られた社員が働くためには、
*業務内容を整理する
*情報を共有する
*マニュアルを作る
*誰がどこまで担当するか決める
*ITやデジタルツールを活用する
といった工夫が必要になります。
こうした取り組みは、時短勤務者だけでなく、
フルタイムで働く社員にとっても仕事をしやすくする可能性があります。
「長く働ける人」だけを探す採用からの変化
これからの採用では、「何時間働けるか」だけではなく、
「限られた時間で何ができるか」という視点も
重要になっていくのではないでしょうか。
例えば、週5日のフルタイム勤務は難しくても、
「週4日なら働ける」
「1日6時間なら働ける」
「午前中だけなら働ける」
という人はいます。
そして、その中にはこれまでの仕事で身につけた
経験や資格、専門知識を持つ人もいます。
人手不足が続く中では、企業が求める条件に
完全に合う人を探し続けるだけでなく、
働く時間に制約がある人でも
能力を発揮できる仕事の作り方を考える
ことも、一つの選択肢になってきそうです。
中小企業にとっても、採用の考え方を見直すきっかけに
大企業と比べて採用競争で不利になりやすい中小企業にとっても、
こうした働き方は一つの選択肢になります。
給与や知名度だけで大企業と競争するのではなく、
「働く時間を選びやすい」
「経験を生かせる」
「家庭と両立しながら専門性を発揮できる」
といった働き方そのものを採用上の魅力にできる可能性があります。
ただ、そのためには求人票を変えるだけでは十分ではありません。
どの仕事なら短時間でも任せられるのか。
誰と仕事を分担するのか。
情報共有をどうするのか。
評価や給与をどう考えるのか。
こうした社内の仕組みまで含めて考えることが必要になると思われます。
人手不足への対応というと、
「どうすればもっと人を採用できるか」
という発想になりがちです。
しかしこれからは、
「今ある仕事を、どのように分ければ、
より多くの人が働けるようになるか」
という視点も重要になってくるのかもしれません。
「フルタイムで働ける人」を探すだけではなく、
「短い時間でも経験や能力を生かせる人」に目を向ける。
それは、人手不足への対応だけでなく、
企業の仕事の進め方そのものを見直すきっかけにもなりそうです。